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劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」評論(20)
ジャングルポケットは言うまでもなく、フジキセキ、アグネスタキオンが好きな方は必見の価値ありと言って差し支えないと思います。
逆を言えばそのあたりに焦点が当てられた構成なので、掘り下げの少ないメインキャラもいますが…。
取り敢えず、ウマ娘が好きならぜひ観に行っていただきたい映画です。
良い所悪い所を交互に書いていきます
● レース作画や音響のインパクトは抜群。通常の靴の音に混ざる蹄鉄の音。画面を駆け抜けていく際の風切り音。各演出シーンに合わせた壮大な音響演出。どれをとってもシリーズ最大のクオリティと感じた、映画に適したものばかり。
✖ ウイニングライブの説明が足りてない、SNSの映画感想を見ててもそれを強く感じる。今回の映画の場合は、映画最初のフジ先輩のレース後にフジ先輩のウイニングライブを1カットでもいいから挟んでほしかった。
● タキオンの描写が秀逸。序盤の狂気の科学者から中盤の一線を退いた引退ウマ娘、プランBに舵を切ってこのまま私の代わりに!!……私の代わりに?? と心に疑念が浮かび、少しずつ疑念と【●●●】は膨れ上がり、最後のポッケの「先行くぜ」の一言で【本当は自分で走りたい!】が爆発するのが神ってた
✖ カフェの描写が希薄。オトモダチや超常現象などのバックボーンの説明がほとんど無かった為、初見の人は「この子急にお友達とか何言ってるんだろう」とか思いそう。また菊花賞のシーンが少なめだったこともあってカフェ推しには不完全燃焼に感じる事もあった。全員のレース描いてたら尺足りないからポッケとタキオンにスポット絞るのはわかるのだが、なら予告で4人主人公と感じるような宣伝はやめてほしかった。
● ポッケに合わせてフジ先輩にスポットを当てたのは大正解。ポッケを突き動かすキーパーソンとして最適だった。最初にトゥインクルシリーズで走る理由、ダービーで一着を取る理由、もう一度壁に立ち向かう理由、いろんな形で、史実に大いに繋がりのあるフジ先輩を起用したのは秀逸
✖ フジ先輩の説明を作中でもう少しして欲しかった。自分は元ネタを知っているからわかるが、初見の人には「フジ先輩はタキオンと同じ『4戦4勝』『ケガで引退』」というのが伝わり切らなかったと思う。そこをもう少し細かく描くだけでも物語に深みが増すだろう
● 『最強を目指す』というどシンプルな理由がポッケに適していて分かりやすかったと思う。最強の為にタキオンやオペラオーを超えようとするのもわかりやすい
✖ ただやはりポッケももう少しバックボーンの描写が欲しかった。フリースタイルレースの時にとにかく一番になりまくっていたとか、フリースタイルレースの描写が1カットも無かったのは惜しい
● フジ先輩とトレーナーの関係が尊い。レースへの想い、後悔、感謝、葛藤、信頼、いろんな感情が会話でうまく表現できていた。フジ先輩が改めて「トレーナーさん」と呼んだ時はうるっと来た
✖ 各キャラの強さに対する理由の描写が足りていないと感じる。練習も凝った練習をしておらず、レース中も戦略や駆け引きといった描写があまり無かった為「なんか知らんけど強い」「なんか知らんけど最強」みたいに感じてしまった。またタキオンが最後復帰していたが、それまでに「アグネスタキオン、リハビリ順調!回復の兆し!」等の描写が無かった為、「なんだ故障とか言って結局走れるんじゃないか」と軽く見えてしまった人もいた模様。1カットでもいいからプランAに戻るために奮起した描写または演出は欲しかったかも
● 演出がシリーズ随一。特にポッケの心象描写が秀逸で、『タキオンを超える事が出来ない』という思いから過去の心象描写が全部タキオンに上書きされていくのは戦慄した。夏祭りでちょっとした音に反応してしまうのも、心象表現に合わせた良い演出だったと思う。またレース中の壁を超える演出も映画ならではの圧巻のクオリティで強く惹かれた
✖ プリズムの説明がない。演出には多用されたが、なんで持ってるのかとか一切触れなかった。史実ネタでもないはず。ポッケの性格を考えるとそういうアクセサリを意味もなく持つタイプとは思えない
思うことは多々あれど映画製作の方針としては何ら間違っていない。願うなら2作目が作られる事を祈る。
初見の人も是非見てほしい!ついてけない部分もあるだろうが、熱血!走る!の2点でも楽しめるぞ!
また同じパターンですか。
ウマ娘さんいつも同じですよね。主人公がウジウジ悩んで、吹っ切れて、最後は叫びながら(今回は何故か追加で光るんですが)走って勝ち。ずっとこれです。引き出しが無いんでしょうか?
しかも今回は悪名高いアニメ3期と同じ過ち犯してます。ダービー勝ったのに主人公がウジウジウジウジ悩むシーンが延々30分くらい続いて観ていてしんどいです。リピートする気も失せますよ。ヤンキーキャラなのになんであんな低テンションな画が続くんでしょう・・・
また悩む美少女の心理描写も陳腐なものです。キャラに感情移入出来ない作りなのに主人公はライバル抜けただけで急にヘラるし、そのライバルもウマ娘の性質がどうこう言っといて結局は走らずにはいられないとか言う今更すぎる結論しか出さないしでキャラに全く惹かれませんでした。
あと個人的にはキャラデザもイマイチでしたね。
アプリは大好きですけど、アプリの可愛いキャラと絵が好きなのであってこんな可愛くも無い尖ったキャラデザは中々受け入れ難いものでした。
変顔させる為にこういうキャラデザにしたのかは分かりませんが「女の子にシリアス顔させときゃウケるだろ」という安易な考えが透けて見えるようで好きではありませんね。
今作は一言で言えば、話を薄くして演出と作画で盛ったバトルシーン集めた映画って感じでした。主人公のウジウジシーンがとにかく長く感じるのでリピートするのは辛く、競馬やウマ娘の知識の無い一般層にも薦め難い映画だと思います。
ですが3期よりは幾分かマシです。破綻はしてないですし、いつも同じパターンとはいえバトルシーンは嫌いではありませんでしたから。
当方、現役トレーナーかつ1~3期、RTTTまで履修済みです。その上で、今回『新時代の扉』を観た感想を書かせていただきます。
〇良かった点
・レースの迫力
アプリでは間違いなく得られない、演出やアングルも相まった凄まじいレース描写。映画だけあって、本当に力が入っており見たかったものが見れた。
・思ったより登場キャラが多く、小さな発見も楽しめた
ここは賛否ありそうですが、少なくとも私は楽しめました。私はCB最推しですので今回彼女の出番は一切ありませんでしたが、それでも楽しかったです。
・ウマ娘が好きなら全編しっかり面白い出来
ちゃんと「ウマ娘の劇場版」として観れたし、そこは非常に満足。この手の作品でよくある「登場キャラ多すぎて訳わかんない」というのも、あくまでメインはJAM、ダンツ、フジキセキ、田辺Tあたりが分かれば''一応''大丈夫にはなっている。終始クライマックス。
・アニメ作品ならではの表情
特にタキオンの狂気に満ちた表情や、ポッケの感情丸出しの表情などは、アニメでの作画だからこそ表現できることであり、RTTTの時も思いましたが、あそこまでやってくれて大満足です。
・安定の実況
「テイエム来た!」をしっかりやってくれました。ウマ娘は実際の実況をかなり誇張する傾向にありますが、欲しかったものを出して貰えた満足感がありました。
・帰り道、無性に走りたくなる
良い点と言っていいか微妙ですが、走ることに文字通り「命をかける」彼女たちを見ていると、何故だか走りたくなってくるんですよね。不思議なもんです。
〇気になった点
・劇場版特有の謎のアイテム
ポッケが持っていたキラキラ光るアクセサリー、タキカフェの合同部屋にも窓際に吊るしてありましたね。アレ、結局なにを象徴していたのでしょうか。
主題歌の「PRISMATIC SPURT!!!!」にも「PRISM」がありますから、何か意味はあるはずです。フジキセキとポッケのレース時にも、フジキセキからポッケへと受け渡される役割を担っていたわけですしね。考察すればある程度予想できるのでしょうが、劇場版専用アイテムの考察まで普通は出来ないのではないでしょうか。映画を観た感動で頭いっぱいですわこちとら。
・登場キャラ多すぎ問題
良かった点と真逆じゃん、と思われるかもしれませんが、確かにいっぱい出てくれるのは嬉しいんですよ。観ていて楽しいですし、それは本当です。しかし、知っているキャラが至る所に出すぎて大変というか。巻き戻しが出来ない映画でこれは大変です。まあ、何回も観に行けばいい話なんですが…。
・「ウマ娘」未履修にはちょっと厳しい
例えばラスト唐突に行われるライブや、なぜ「皐月賞トレーナー」ではなく「ダービートレーナー」でなければいけないのか。ウマ娘履修済みには当たり前のことが分からない状態だと、頭に「?」が浮かんで純粋に楽しめないんではないかなと。あと実馬をモデルにしているので、「黒髪の子は誰だっけ…あぁ、マンハッタンちゃんか」「てい、オペラ…?成田…?綾部…?」みたいなことになりかねない。初見で複雑な馬名を覚え切るのは難しいと思いますね。
また、小ネタに共感出来ないのもそうです。合宿時のアヤベさんで「フフッ」となりませんでしたか?あれはアヤベさんが「ふわふわキャラ」であることを前提知識として入れていないと伝わらない場面です。事前にRTTTを観ていれば、その時とのギャップでより面白くなるでしょう。しかし、ウマ娘未履修の人にとって、急に宿の布団をレビューし始めた変な子になってしまうんですよね。周りはクスクスしているが、何がそんなに面白いのか分からない、と。ウマ娘や競馬を知らなくても絶対楽しめる!オススメ!という意見をよく観ますが、それはちょっと言い過ぎかなと。ハマる人もいるかもしれませんが、少数派かなぁと言うのが私の意見です。
また、これは別の角度からの感想ですが、「俺たたエンドが残念」という意見もちらほら見かけます。
「俺たたエンド」とは、いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ」みたいな展開で最終回を迎える、打ち切り漫画の代名詞的な展開の事です。
本映画では、ラストにJAM+ダンツの4人がレースに向かうところで終了、ライブへ突入となるわけです。
確かに、「アニメ映画」として見れば、作品内で物語が完結していない、ポッケとタキオンの勝負を付けずに終わらせてしまったことに少なからず異を唱えたくなる気持ちは分かります。
しかし、こと「ウマ娘」に関しては、この「俺たたエンド」の意味が180°変わるんですよね。
まず原則として、ウマ娘は実際の勝利馬を改変することはありません。唯一あったのは1期のエルスペ同着ぐらいで、道中の順位が変わることはあれど、例えば皐月賞をダンツフレームが勝つことは有り得ない訳です。史実の結果を元にして作られているので。他に抜けがあったら申し訳ない。
それを踏まえると、ジャングルポケットはジャパンカップを最後に1着は取っていませんので、そもそもウマ娘では描けない。更に、アグネスタキオンは皐月賞を最後にレースには出てきていませんので、皐月賞以降のレース描写は描けません。
その上で!それを踏まえた上で!
「ウマ娘」の良さとは何でしょうか。これに関して、私は「続きが見られること」だと思うんですよね。秋天を乗り越えたサイレンススズカ然り、菊花賞に出走できたトウカイテイオー然り…。モデルとなった実馬が歩めなかった物語を見せてくれるのが、「ウマ娘」の真骨頂ではないかと。
そう考えると、ラストのあの場面にアグネスタキオンがいること自体が、可能性であり、希望であり、夢なのです。
彼女らはあの後もお互いが切磋琢磨し合い、レースで勝った負けたを繰り返していくのでしょう。それを想像させるような終わり方というのは、「ウマ娘」の良さを最大限に発揮した素晴らしいラストだったのではと思います。
フジキセキも、「ナベさん」から「トレーナー」へと呼び方を変え、恐らくレースに復帰するのであろう演出もありました。
そんな訳で、とっ散らかって長文となりましたが、これが『新時代の扉』を観た感想です。
全体としては満足できました。あと数回は観に行きたいですね。
ゲームは引退、競馬歴は25年なので史実をどうエンタメ化するのかに注目して視聴しました。
後のG1連対馬を3頭排出した伝説の新馬戦はほぼパス。
名門メジロの最後のG1馬になった、ブライトの弟ベイリーはウマ娘には出ないんだろうな。
まあ話が混み合うから仕方ない。予想通り。
ラジ短(G3)はホープフルステークス(G1)化。これもゲームの仕様上予想通り。
マンカフェが弥生賞で苦しそうだったのは-20キロの影響で、これも予想通り。
ウマレナガラノ?と言う名前を聞いて、あぁ元ネタは音速の末脚フサイチコンコルドの弟ボーンキングか、光速のアグネスタキオンとは同期だったなぁとか、やっぱりこの世代はボーンキングと同馬主のクロフネ(ペリースチーム)も主役の一頭だったよなぁとか思いを馳せ、菊花賞路線でジャンポケ、ダンツ、クロフネを下したエアエミネムが完全モブ。ここも事前情報から予想通り。
世代最強のタキオンの影を追う展開も予想通り。
最後がJCでオペラオーを下して大団円。これも予想通り。
劇中2レース走ってるステゴ(キンイロリョテイさん)が名前すら呼ばれなかったのだけが予想外。
むしろウマ娘実装の布石か?と前向きに考えてみた。ちなみに彼の大団円はこの次の50戦目のレース。
という訳で、予想通りのお話でした。
個人的にアニメのウマ娘は2期のツインターボの魅せ方が最上で、それを超える演出を求めてるのですが、なかなか難しいのでしょうね。
売上が良ければ次回もあるんでしょう。
最後に予想しますが、RTTTからの流れだと次回はシンボリクリスエスが主役でしょう。
ギムレット、タップ、ミラクル、トプロ、ジャンポケがライバルで。
対抗でギムレットを挟むかも?ノーリーズンがいるし。
その次はロブロイです。
無さそうですが、その次がキンカメ飛ばしてディープなんだよなぁ。