北野武監督が孤独な刑事の生きざまを描き、1997年・第54回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した人間ドラマ。凶悪犯の自宅を張り込み中の刑事・西は、親友で同僚の堀部に張り込みを代わってもらい、不治の病で入院中の妻・美幸を見舞いに向かう。しかしその間に堀部は犯人に撃たれ、命は取り留めたものの下半身不随となる。その後、西は犯人を追い詰めるが、自身の失態から後輩が命を落としてしまう。罪悪感にさいなまれ辞職した西は、車椅子での生活を送る堀部に画材道具を贈るため、そして余命わずかな美幸との生活資金を工面するため、ヤクザから金を借りるが……。北野監督がビートたけし名義で主演も務め、岸本加世子、大杉漣、寺島進が共演。
HANA-BI評論(20)
10代の頃一度見たのだけど、その時はハッキリ言って、この良さが分からなかった。静かで暗いと言うイメージだった。
その時は「その男凶暴につき」から「ソナチネ」「キッズリターン」…とずらっと
見て最後に満を辞して見たのだけど、急に暗っ!と言う感じでガッカリした記憶だけど、それを今見直して理由が分かった。
恐ろしいほどに無駄な説明、カットがない。口で説明しない、絵で見せる。ストーリーを進めながら過去を語ると言う手法について行けなかったと思う。今観ると映画だけど静止画的と言うか、それこそ大杉漣が作中で描く絵のようなカットの連続だと思った。無駄な事をしない潔さもカッコ良く、西と言うキャラクターも粗暴で静かな男だけど、全面に愛が溢れてたように思う。
夫人にだけ見せる仕草や言動も愛らしかった。
ラスト、凧が揚がらないんだよな…浮上しないんだ一向に…
北野武監督の一つの集大成のような映画だと思いました。
天使?
何かしらの意味があるのだろうな、と思った。
劇中で、喫茶店の背景で
絵画がさりげなく飾られていたり
又は、全面的にだったり、
何度も出てくる。
全部たけしさんが描いた絵のように思えて
なんとなくメッセージを感じる。
ひとつひとつメッセージは感じるのだけど
難しくて、理解はできなかった。
暴力と死。
なんと、いとも簡単に散ってしまう。
花のような儚さ。
HANA BIなのかな。
今まで観た北野作品のなかで
私としては一番難しかった。
大杉漣追悼番組で何回目かの視聴。
北野映画らしさが全開。
でも嫌いじゃない。
奥さんの最後の二言と2発の銃声は切ない。
そんな映画でした。
アウトレイジとは逆にたっぷりと独特の間があってたけし映画だなぁという感じがします。
暴力団表現もいろんな見せ方が、直接的みせてない、でも怖いという感じで、上手いし、発想がすごいと思います。
主人公やそのつまりのセリフが物凄く少ないのに、感情が物凄く伝わってくる、よくあるセリフで前部説明してくれる映画とは間逆の映画です。
映像で表現するというのはこういうことなんだろうと思いました。