1980年にも映画化された青柳裕介の同名コミックを、舞台を現代に移しかえて再映画化。高校野球部で甲子園を目指していた純平は、暴力沙汰を起こして退学になり、故郷の土佐・久礼へ戻ってくる。純平は幼なじみの八千代に恋をしていたが、伝説のカツオ漁師である彼女の父・千代亀に交際を反対されてしまう。そんなある日、久礼の酒造の息子で県庁に勤めている徹が八千代と組んで町おこしをはじめ、純平は嫉妬心を燃やす。やがて、自分がただの半端者であることに気づいた純平は、男が命がけで生きることの意味を考えるようになり、亡き父の跡を継いで漁師になることを決意する。主人公・純平役に、「悪の教典」「渇き。」などに出演した中島広稀。監督は、「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」の蔵方政俊。
土佐の一本釣り 久礼発 17歳の旅立ち評論(2)
学園もの映画などで露出が増えてきた中島広稀が主人公の純平役を務めているけど、演技というよりは映像の中の彼そのものが現代っ子の純平になっており、歳上の幼馴染の八千代(町職員)との痴話喧嘩は見応えあり。
しかしながら、高校を退学して次は何をしようか悩みつつ郷里で過ごす純平とその街並みが延々と描かれていており、カツオの一本釣り漁の迫力が足りないのが悔やまれるところ。
あと、喫煙するけどそれ以外は素直で純情な純平の性格はちぐはぐ感が拭えなかったかな。
12月25日の本公開でブラッシュアップされていることを期待してます。
(※新人監督映画祭2016で観賞。タイトルは「土佐の一本釣り 〜久礼発、17歳の旅立ち〜」へ改題)
ただし、プロデューサーの和田敦也とギャラでモメタ、と日本映画監督協会のフェイスブックに、井坂監督が自ら載せてました。
未払いの為、制作会社が下りる、ラインプロデューサーが下りる、監督を首にするが、御金が無いので一切、キャンセル料を払わなかったそうで。
和田敦也 プロデューサーは制作会社を変え、ラインプロデューサーを変え、監督も変えて、完成はさせたのですが。やはり未払いで、劇場公開も送れたそうで、”塩漬け”と揶揄されましたが、DVDで見れるようになって良かったです。