ゆきゆきて、神軍

7.4/10
共21評論
類型   プロット
時長   122分
語言   日本語
地區   日本
演員   奥崎謙三  
台灣上映   08月14日 2020
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ゆきゆきて、神軍劇情

ドキュメンタリー映画監督の原一男が、過激な手段で戦争責任を追及し続けるアナーキスト・奥崎謙三の活動を追った傑作ドキュメンタリー。神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三は、自らを「神軍平等兵」と名乗り、「神軍」の旗たなびく車に乗って日本列島を疾駆する。ある日、自身がかつて所属していた独立工兵第36連隊で、終戦後23日も経ってから敵前逃亡の罪で2人の兵士が処刑されていたことを知った奥崎は、その遺族らとともに真相究明に乗り出す。時には暴力も辞さない奥崎の執拗な追及により、元兵士たちの口から事件の驚くべき真実と戦争の実態が明かされていく。1987年の初公開時は単館上映ながら大ヒットを記録。第37回ベルリン国際映画祭でカリガリ映画賞を受賞するなど、国内外で高く評価された。戦後75年、奥崎謙三生誕100周年となる2020年の8月、全国のミニシアターでリバイバル公開。

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ゆきゆきて、神軍評論(20)

ibbaeg
ibbaeg
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公開時に映画館で見て以来2回目。際もの的に見て楽しんでいたのだが、次第に恐るべき真実が明らかになっていく過程がミステリーの構成でとても面白い。

奥崎健三は字がとてもきれいで育ちの良さを伺わせる。人柄はまじめで誠実で、暖かい面もあるのだが、真に修羅場をくぐっており腹の据わり方が尋常じゃなく、あんな押し付けがましい人物とは絶対に関わりたくない。
eybuvkn
eybuvkn
終戦後、復員された人が正気を保てず大勢覚醒中毒者になってたと、親から聞いたことがある。

職業軍人の方はともかく、徴兵された人はみな、奥崎さんのような思いがあったのではないか?

結局誰も責任を取らない!
命令されたから…とかの言い訳しか言わない。
本当のことさえ言わない…

指揮系統トップの天皇から、誰も…

もし、自分が徴兵されて、生きて帰ったら…
奥崎さんのようになったかもしれない。
ならずとも、心では思い続けたかもしれない。

もう、周りには従軍された人がいないので、聞くことはできないが…

戦後75年、相変わらず、聞くことは責任逃れ、嘘。
威勢のいい話…

威勢のいい連中は責任取りませんよ、この前がそうだった様に。
cjhlim
cjhlim
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「靖国」という言葉を聞いただけで相手に飛びかかる男、奥崎謙三。本人の思想や性格には賛同することはできないが、戦争の閉ざされた真実・戦争の狂気と残虐性を暴いていった手腕に拍手を送りたい。

頑なに口を閉ざした元上官。敵前逃亡の罪で銃殺した事実を、奥崎の脅しともとれる迫力に負けて重い口を開いていく。「人肉を・・・」という台詞がポンポンでてくる様子。普通の戦争映画全てが生ぬるく思えてしまうほど説得力がある内容だった(『生きてこそ』よりもすごいかも)。ボカシも修正もなく顔を出す復員兵たちの「生きるために仕方がなかった」と何度も語る凄惨な現場が、映像も伴わないというのにリアルに訴えてくる。これはまさしく非人間的な戦争の醜さを表現した反戦ドキュメンタリーだと思う。

正直に自分の罪を認めて贖罪すれば、彼は納得する。「悪いのはヒロヒトだ!」と彼は叫ぶ。ニューギニア戦で生き残った数少ない彼は、「天皇にパチンコ玉を撃った」「人を殺してしまった」「上官を殴った回数は日本一」と豪語し、「いい暴力なら許される」と自説を曲げない。人間としても思想的にも好きにはなれないが、我々に「筋を通すこと」や「真実を知ること」の大切さを教えてくれた。

普通の戦争体験談は戦争を知る上でもちろん有意義なことなのですが、その常識の裏にある人間の悪を暴き出したかのような事実も知らなければならない。戦争体験者が少なくなっていく現在の日本において、今後、どうすれば戦争の悲惨さを訴えることができるのかなぁ。

【2005年3月映画館にて】

当時はまだ『軍旗はためく下に』や『野火』を見ていなかった・・・
cioazbe
cioazbe
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総合:65点
ストーリー:
キャスト:
演出:
ビジュアル:
音楽:

戦後数十年たってなお戦争の傷を引きずり続ける元兵士の人生のドキュメント。内容的にはきつい話だし決して楽しいものではない。

あまりに悲惨な経験をしてその中で生き残ったため、怨嗟の塊となって過去を引きずり続ける。天皇を糾弾し元上官を訪ねては非難し時には殴りかかる。延々と彼の負の感情が撮影され続ける。そしてそれを裏付ける彼の極めて生々しい経験がところどころで登場する。特に人狩りの話などはなかなかに衝撃的である。
だがこの人、恨みがあまりに深くて周囲が見えなくなっているとも思う。彼がそのような生き方をし続けるのは理解出来ないでもない。彼もまた悲惨な戦争と、当時の不合理な日本の社会の犠牲者であることに疑いはない。
だが最後に戦争に関係ない上官の息子を攻撃するなど、正直意味がない行動である。またお飾りで当時から殆ど権限のなかった天皇の戦争責任を追及し続けたところで、今更どれだけの人が幸せになれるだろうか。そのようなことをしても新たな恨みを生み負の連鎖を生むだけ。

戦後に軍から開放され自由になった自分の人生をも犠牲にしてまでそうせざるをえなかった、到底抑えることなど出来ない彼の感情。復讐の鬼と変わり日本各地を訪ねては恨みの言葉を叫び続ける男。見ていて痛々しくもあり、理解もある程度出来て同情の気持ちも沸き、最早取り返しのつかないことにこだわり続けて間違っているなと感じる部分もあり、とても複雑な気持ちになる。当事者でないとわからない部分があるのは間違いないのだが、自ら進んで永遠に続ける彼の呪いの人生と不幸を見るのは決して愉快ではない。
だが彼のそのような人生もまた、悲惨な戦争の結果というだけでなく、戦争の陰にある悲惨な戦争犯罪や必要以上の悪の結果である。そのようなことが具体例としてわかるという意味において、またそれから逃れられない男の生き様という意味において価値のある映像である。
cjhlim
cjhlim
正にキチガイ
こんなものは反戦でも平和思想でもなんでもない
恫喝、なりすまし、カメラをもって突然乗り込んでくる
思い込みによる尋問
こんな何をするかわからない奴に尋問される側の腫れ物に触るような言動、態度が本当に気の毒でならない
こいつは処刑された遺族をも食い物にしているのだ
遺族の為ではない
ただ単に戦争中の私怨を晴らす為に利用しているだけだ
そもそもこいつに断罪する資格なぞなにもないのだ
思い上がりも甚だしい
胸糞が悪いとはこのことだ
自らの思い込みの正義の為に暴力を肯定し、最終的には殺人を企てる奴だ

こんな映画を賞賛するなんてどうかしている

その狂気をそのまま写し取ったフィルムに残された狂気のエネルギーだけは星半個だけ評価する

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