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オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡評論(12)
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最近日本でスポーツ界のパワハラのニュースがよくやってたけど、この映画パワハラどころの騒ぎじゃない。
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ロシア新体操会のトップみたいな化粧ケバケバ、アクセサリーゴツゴツ、派手な服のおばば様がとにかく口が悪い。よくこれ撮影許可出たなと思うレベル。
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さらにその下でマルーンを指導するコーチとそのおばば様がバチバチして、コーチがマルーンにあなたがちゃんとやらないと私が怒られると怒って、さらにマルーンがそれをほかの男のコーチに愚痴るという、なんとも女同士の怖い世界(笑).
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圧倒的な権力を持つトップと中間管理職のコーチ、厳しい指導を受けるマルーン、この関係を見てるだけで面白い。とにかくこの3人が強烈すぎて、他のサポートメンバーの男性(彼氏も含め)がもう空気のように存在が薄い。
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アスリートはここまで自分を追い込まないとダメなのかと、納得しかけた時、ふとロシアのドーピング問題について思い出した。ロシアって国の偉大さ=スポーツでの勝利みたいな所あるから厳しいロシアのスポーツ界の闇。
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最後オリンピックの映像が見られなかったのだけ残念。
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20歳にも達していない彼女が練習や競技の直後からコーチから受けるのは、激励や労いの言葉ではなく、罵倒の嵐(もちろん編集に当たってその部分を重点的に盛り込んでいるのでしょうが)。マムーンに、文字通りの「パワーワード」を浴びせかけます。
「あなたは人じゃない、アスリートよ。感情はいらない」
「まさに負け犬。本当に愚か」
などなど。
ロシア語の罵倒語を知りたい人にとっては語彙を増やす好機かも知れませんが、通常の観客は、マムーンでなくとも思わず耳を塞ぎたくなるでしょう。
本作では特に、ロシア新体操界の伝説な指導者イリーナ・ヴィネルの存在感がすさまじく、映像に自分のどのような言動が映されているのか、まったく意に介していない様子。70歳近い御年なのに、マムーンを置いて颯爽と歩き去る彼女が履いていたのは赤くいピンヒール。「そこも隙なしかよ!」と危うく声に出しそうに。
時折挿入されるマムーンの見事な動きには目をみはりますが、制作者の意図なのか、割とあっさり見せ場を切り落としています。新体操の女王としてのマムーンを観たい人には相当フラストレーションが溜まるでしょうね。
これも製作上の意図なのか、本作には登場人物の説明やナレーション、独白などがほとんど含まれていないため、マムーンとコーチの関係はおろか、マムーン自身が何を考えて、どうして苛烈なしごきに耐えているのかがほとんど読み取れないようになっています。
画面に映える衣裳はきらびやかなのに、人物の感情や表情が全く掴めない…。ある米批評誌は本作を「ホラー」と評しましたが、その気持ちも分かる!
彼は選手たちが失点したりミスしたりしようものなら顔を真っ赤にして選手たちを怒鳴り散らしていた。私はロシア語はわからないが傍目に見ても悪口雑言であることは想像に難くない。でも、それは、80年代、今から40年くらい前の話、そう昭和の話である。
しかしながら、ここに出てくるマムーンのコーチは昭和がタイムスリップしてきたような感じで、
予告編でかなりエグい婆さんだなとは感じていたがこれ程とはね、
マムーンを称賛する一方で国威高揚の部品くらいにしか選手を思っていないロシアのスポーツに対するリスペクトのなさが如実に現れていると思う。
みました。でも、何気にしている足のストレッチとかでも角度すごくて驚いた。