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沈没家族 劇場版評論(7)
映画は、母親をはじめ、監督が小さい頃にお世話になった人々に会いに行き、沈没家族と名付けられた共同保育の試みを紐解き、自身の人格形成のルーツを探る旅のように描かれる。そして、離婚した父との再開によって、血の繋がりと家族とはどのように関係があるのか自問してゆく。この父とのエピソードは因縁の相手の邂逅という赴きではなく、昔の知り合いに会いに行くみたいな感じの微妙な気まずい距離感が漂っているのだが、沈没家族のメンバーとの親しい距離感とは対照的で面白い。変わった生育環境だが、すくすくと健全に育った監督の人柄がよく出ている素敵な作品だ。
うまくいかなかった父親の、もっていきようのない思いもリアルに感じるし、いろいろなことを感じる映画であった。
最初に書いたように、彼がすくすく育ち、この映画を自分で撮ろうと思ったことが、母親ばかりか、彼に関わったみんなが思うことではなかっただろうか。
同じ時期をいっしょに過ごした彼女との、姉弟のような、友人のような関係も、いい感じに思えた。
大掛かりな実験といえるが、すでに誰の中でも、忘れられない思い出ではあるが「そういう時期もあったな」という普通の思い出になっているところを見ると、実の父親にとってだけ、非常に過酷な実験だったのだろうか。
妻と仲良くして、ちゃんと父親をやろうね、ということだろうか?
お母さんは、淋しがりやで一生孤独とは無縁の人でしょう。愛のあるファンキーな女性に見えました。淋しがりやだからこそ人と繋がりたがり成功したのではないでしょうか?これが無駄に気が強かったりしたらこうは行かない。
人の懐に入れる人で良かったのと、善人な大人が集まり時代が良かったね。
お父さんはお父さんなりに土君と母を愛していた。お父さんも淋しがりやだけど、人間関係が下手なだけで。
出てくる人々の歯が皆なくて何かもうファンキーだった。うん!幸せだ。中野らしい!
息子が22歳、カメラを抱え、母、父、子育てチームの面々を訪ねる。
子供は社会の財産だから。
ちょうどその時期、オレも東京でフリーペーパーを作っていて職場は中野で、近い存在としてなんとなく知っていた。めぐさんがギターケースを背負っていて、何か弾き語りするのかと思ったら何もしなかった。
お父さんがけっこうなクズのままに表現されていて気の毒だ。
漫画家の藤枝奈己絵さんがご主人と娘さんと出ていらした。『赤子よ日記』のお子さんがでかくなっている。。
あの生活で子どもがどのように育つのか、二人ともとても立派に育っていらして、本当によかった。