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空の穴 プロット 日本 09月29日 2001 台灣上映
蛇の穴 プロット アメリカ 03月07日 1950 台灣上映
パンツの穴(1984) プロット 日本 03月17日 1984 台灣上映
穴 HOLES プロット アメリカ 01月01日 1900 台灣上映
耳穴 プロット 韓国 01月27日 2023 台灣上映
地下室のヘンな穴 プロット フランス・ベルギー合作 09月02日 2022 台灣上映
マルコヴィッチの穴評論(19)
別人の体を次々と移り渡っていく意味で繰り返し系ジャンルのひとつと言え、名作だと思います。キャサリンキーナーの悪女っぷりに女性でも惚れます。
ただ「器」は血縁によって引き継がれていくのか、「器」の本体に飲み込まれず入ることができるきっかけは何なのか、疑問が残ります。
マルコヴィッチの頭の中に入れるっていう
発想は凄いし、
実際にマルコヴィッチが入った時の世界観も凄かった。
ただ話が少し難しかった。
巻き戻して観ないとわからないくらい。
でも面白くない訳じゃなかったし
観て良かったかな。
やりたくもない事をやらされて、そして自分の体をついに乗っ取られる。
しかしそれを感じさせないダークユーモア!
さあさあ、そんな人間の体の所有権が自己一身専属だなんて思わないで!!
みんなで共有しましょう!!全世界の人類はみな兄弟
俺のものはお前のものは皆のもの!!みんなでとけて混ぜて一つになりましょう!!
みたいな。
カルト的な思想に基づいたような、世界の底で狂っているような、そんな雰囲気を感じた。
売れない人形操り師の妻帯者の男は、とうとう就職することを決心。あっけなく採用された会社が、なにをしているのか分からない会社で、そこで洞窟のような穴を見つけます。恐る恐る中にはいると、なんとそこは15分間だけマルコビッチの頭の中に入っていける穴だったのです。
これを妻に体験させると、心に密かに隠していた性同一性障害の悩みが解消される。男は、これで金儲けをしようと、社長に秘密にして広告を出すと、行列ができるようになる。そこからあれよあれよと色々な事がおこる展開となっております。
もし、あの人になれたら?
こんな誰もが抱える(はずの)願望は、哲学的には「どこまで他者を理解できるのか?」なんて命題にもつながります。
本作の場合は、そんな願望にたいしてご託を並べず、映像と特撮の力であっという間に現実にしてしまいます。惨めな人生をたった15分でいいから捨てて、憧れのハリウッド俳優になりにいく。
本作は、そんな願望をもし叶えられたら人はどうなっていくのだろうか、という問題を実験してみた作品といえるのではないでしょうか。それでも、これだけでは本作の魅力が表せていないとも思います。なにやら、つっかえのように、本作はそれ以上の奥深い力があるのです。
性同一性障害を抱えた女性が、穴を通して、自分の本当の性に、そして本当の幸せが何なのかを悟る。本作は、あり得ない話を展開させることで、社会生活を漠然とすごしていくうちに封じ込めていく心の葛藤をうずかせるような映画です。
だからどうしたという感想はもってしまうかもしれませんが、それでもなんとなく心が軽くなっている、本当に奇妙で不思議な作品でした。