スティーブン・スピルバーグ監督がイギリスの作家J・G・バラードの半自伝的小説を実写映画化し、日本占領下の中国を舞台に、捕虜収容所で生きるイギリス人少年の成長を描いた戦争ドラマ。1941年、上海。イギリス租界で生まれ育った少年ジムは、日本軍の零戦パイロットに憧れていた。ある日、日本軍が街に侵攻し、混乱の中でジムは両親とはぐれてしまう。飢えに苦しんでいるところをアメリカ人のベイシーとフランクに救われたものの、やがて日本軍に捕らえられ捕虜収容所へ送られることに。過酷な環境の中で、たくましく成長していくジムだったが……。主演のクリスチャン・ベールはオーディションで約4000人の中から選ばれ、本作で映画デビューを果たした。日本からは伊武雅刀、片岡孝太郎、ガッツ石松らが参加。
太陽の帝国評論(11)
その当時の上海の在り様を大いなる熱意でスクリーンに再現し切り取ってみせた
その力量は評価できる
しかし人間が形成される多感な少年期に戦争の混乱の中一人生き抜く姿を描くが、その苦労がテーマなのか、戦争の悲惨がテーマなのか、その悲惨がヨーロッパだけでなくアジアでもあったことを言いたいのか
焦点が絞り切れず終わる
主人公の子役はある程度上手いが、胸を打つまでには至らないから感情移入も限られてしまう
この反省から本当に作りたかったホロコースト映画は徹底的に観客を映画の中に引きずり込むしかないとスピルバーグに思いこませた作品だと思う
つまりシンドラーのリストへの習作だ
上海、イギリス租界から見た終戦物語。
伊武雅刀いい感じ。
ちょい役、がっつ石松。座布団運び山田君、ぐっジョブ。
日本軍管理の収容所ってのが初見だったのでそういう視点もあるのかと再認識。
少年の生き残るためのハイテンションキャラがすごい。
八紘一宇
けど両親から離れたまだ子供、という主人公の
賢さたくましさより
切なさにギリギリしながら見た
戦争の悲劇を描くあまたある映画の中の一作
「彼も本が好きだったの」
「そうね、よくバラードを読んでいたわ。『太陽の帝国』ってご存知…前世紀の映画だけど」
「スピルバーグの作品だよね。ぼくは古い映画が好きなんだ」
「その原作。J・G・バラード、って人が書いたの。映画よりももっとドライで、世紀末的で幻想的なタッチが印象的だった」
「映画とはずいぶん違うみたいだね」
「そうでもないの。ストーリー自体はけっこう小説に忠実よ。だけど……バラードの作品はもっと乾いてて、残酷なの。よく廃墟や世紀末を題材にした小説を書いていたわ。SF小説なの」
ってことで、観てみました。
少し日本兵を美しく描きすぎな気がしますが、
スピルバーグが創る世界観の美しさを再認識させられます。
マルコビッチはかっこいいけど、この時からやっぱりすでにおはげでした。
家を占領され、街の中を逃げ惑う少年は、白人であることへの漠然とした罪悪感と有色人種への恐怖感を抱えている。
彼らがこのような感情を持つことはおそらく二度とないからこそ、このような映画等からでもいいので、一度は体験してほしい。
2011/05/12 @おうち