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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS評論(14)
黒澤監督のオリジナルはまだ見ていませんが、『スターウォーズ』がオリジナルにインスパイヤされた作品であるなら、本作で本家帰りしたようなものです。
オリジナルとは大幅にシナリオ変更されているので、きっと黒澤ファンからは酷評されることは必至でしょうけれど、これはこれで見応えありました。
特にオリジナル当時にはなかったVFX処理を取り入れることで、砦の爆発シーンなど迫力ある映像を挿入できたことが大きな違いです。そういう意味では、『和製スターウォーズ』といってもいいくらいの作品でしょう。VFXだけでなく、よくこんな幻想的な風景を国内から見つけてくるものだと唸るくらいロケーションも力が入っていました。
オリジナルと、大きな違いは主役の変更です。オリジナルは姫を守る侍大将六郎太が主人公でしたが、新作では山名出身の金堀衆武蔵が主人公になっています。オリジナルでは 六郎太が強欲な二人の百姓を利用しようと考え、巻き込んだことになっていますが、新作では逆に武蔵の方からうまく取り入ったことに変更されています。
物語は六郎太の武勇伝から、武蔵の心境の変化が中心に据えられました。武士から庶民に中心人物を変更した点としては、おそらく秋月の雪姫が語る「国を支えているのは武士のみにあらずして、多くの国民あってこそ」という眼差しから、武蔵という社会の底辺で暮らす存在の目線を基軸に物語を組んだものと思います。
我欲に満ちた金への執着、そして親を殺された武士に対する恨みを超えて、武蔵は雪姫が語る理想の国作りに手を貸そうと思うようになるなど武蔵のこころの成長を綴った作品であると思います。そして山猿のような最下層のヒーローに、打ちひしがれている民を救おうとする姫、さらに姫のピンチを救う多くの秋月の民。その設定変更のキーポイントは、ポピュラリズムであり、『スターウォーズ』の共和国軍の理念に近いものいえないでしょうか。
シナリオ変更されたからといって、黒澤監督のスピリットが完全否定されたわけではありません。黒澤作品のエスプリに欠かせない、人間の業の深さや濃いキャラクターはそのまま生きています。
例えば、阿部寛が演じる六郎太は、三船敏郎が乗り移ったかのような野太い荒者ぶりを披露。阿部寛につきまとう「ちょいワルオヤジ風」の軽さを完璧に封印しています。
武蔵の相棒で、欲に目が眩んだ新八のその徹底した馬鹿丸出しぶりの宮川大輔の演技は試写会場でも爆笑を起こして止みませんでした。彼のキャラは実に印象的でしたね。
雪姫を演じた長澤まさみは、これまでのかわいい系キャラをかなぐり捨てて、男装に挑戦。荒っぽい役どころと民を愛する心優しい姫君の両面をメリハリつけて演じておりました。
そしてなりより松本潤の野性味ある武蔵役は、彼のファン層を確実に拡げる素晴らしい演技であったといえます。
しかし『日本沈没』の時よりストーリー面で大ブーイングを浴びている樋口監督は、本作でも健在でした。ネタバレになるので多くを語りませんが、六郎太が絶体絶命のピンチ陥ったとき、いとも簡単に脱出させてしまうのです。あれでは興ざめです。
あとどうせストーリー変更したのなら、『スターウォーズ』のようにラストに大規模戦闘を持ってくるべきでした。続編を作るならまだしも、ラストの終わり方がやや仮面ライダー的な終わり方かなぁという気がします。
キャスト、シナリオ、衣装やすべて学芸会。
迫力や、緊張感が足りなすぎます。
ジャニタレで撮ると名作もこう成り下がる典型を見せられた。
唯一評価できるのは音楽。これだけは良かった。
眉なしの椎名桔平と忠臣、阿部寛も笑えましたが。
映画館で観たら怒ると思う。
DVDでも必要なし、TV放映のみで十分です。
ストーリーは全然知らなかったのですが、展開が読めずドキドキしました。
大丈夫だよね(´;ω;`)ウゥゥって場面が何度も。
キャストが美形揃いなのに、汚れてる姿ばっかりで少し残念。
汚さない訳にはいかなかったんだろうけども・・・。
ラストは超お気に入りです。
黒澤とか13億とか考えなければ、邦画では上半期の中で最高!!
画面に見入っていたのに
関所のくだらない押し問答がしつこくて,
高まった感情が下降線を辿りはじめる。
松本潤と長澤まさみの汚しが中途半端。
旅の困難が伝わらない。
背後に危険が迫っていても,
起こるドラマは緊迫感に欠けるし,
ひとつ覚えのように「裏切り御免」を連発する会話にげんなり,
エフェクト過剰なアクションは安っぽい,
爆発に迫力はあってもカタルシスは無いし,
いくら娯楽とはいえ,
そこかしこに横たわる「軽さ」をどうにかしてほしかった。
黒澤世代じゃなく,
スターウォーズ世代による「隠し砦の三悪人」なら,
いっそ思い切って,
もっともっと破天荒に暴れ回ってくれたら,
活劇として楽しめたかもしれない。