森川葵と菅田将暉が共演した青春ドラマ。大島真寿美の同名小説を原作に、孤独な少女が映画好きな青年との旅を通して再生していく姿を、フェリーニの名作「道」へのオマージュを散りばめながら描いた。幼い頃に母を亡くして心を閉ざしてしまった知世子。心を許せる唯一の存在だった愛犬ジュリエッタも死んでしまい孤独を募らせた彼女は、母が好きだった映画「道」を見せてもらったことをきっかけに、映画研究部の先輩・正宗と仲良くなる。正宗の映画に出演することになった知世子は、彼と一緒にバイクで撮影旅行に出る。監督は「せかいのおわり」の風間志織。2014年に製作され15年に劇場公開。劇中で舞台となっている設定の2021年に、6年ぶりにリバイバル公開される。
チョコリエッタ評論(20)
面白そうだなと思いみました!
森川葵さんと菅田将暉さんの演技が
素晴らしかったです。
森川さんの情緒不安定な役柄の演技、
森川さんと菅田さんのなんとも言えない
距離感、関係性、不思議でした。
このテンポ、このダラダラ感、あえてこうしたのかもしれませんが、見ている方は結構辛い。
まあ勿論、この作風にしたことで思春期特有のモヤモヤっとした雰囲気・感情は十分出ていたと思いましたけどね、でももう少しコンパクトに出来なかったものか、作った側はかなりの満足度なんでしょうけど、見る側の感情はそこまで・・・。
とりあえずこの映画は、かなり3.11の影響を受けた映画のようですね。
だからこそより先が見えない、若者が未来を描けない社会になっていたのでしょう。
主人公・知世子の母が事故で亡くなった年もドンピシャでしたし、愛犬の死も含めてその喪失感たるや、森川葵の好演も相まって物凄く伝わってくるものはありました。
丸坊主にした役作りも凄い、そしてあの脱力感、犬になりたい、何者にもなりたくない、モヤモヤっとしたその感じ、空気感は、作品の軸としてホント素晴らしかったと思いました。
逆に菅田将暉は珍しく受ける側、いつもは森川葵が演じたキャラ側の役どころが多いのに、今回はちょっと珍しかったですね、かなり変人な先輩ではありましたけど、森川葵を見事に引き立たせる受けの演技はさすがの一言。
まあ演じた正岡正宗も、彼なりに喪失感を抱え、未来を生きようとしない人で、いろいろと知世子と共鳴するものがあったからこそ、ああして彼女のわがままを受け入れたのでしょうけど、2人のやり取りは正直ダラダラと長かったなぁ。
2人の演技は見応え十分なんですけどね、話が進みそうで進まず、とにかくもどかしい、そのもどかしさこそが青春と言えばそうなんですけど。
この映画、もしかして永遠に終わらないのでは?とも思ったぐらいでしたが、着地点は真っ当で一安心、岡山天音が演じた同級生が結構いい味出してましたね。
あと市川実和子が知世子の母だったのも、妙に納得感、森川葵の主題歌も作風に合っていて良かったと思いました。
まあ私はフェリーニ映画をほとんど見てないから嵌れなかっただけなのかもしれません。
映画通の方は、時間の長さを忘れるぐらい楽しめる映画だったかも?
映研で知り合った先輩(菅田将暉)に、母が好きだったフェリーニの「道」を見せてもらう。
ちょっと長いかな。
正宗先輩のその後はどうなったのか。モヤ。