漫画家・高橋ツトムの代表作「スカイハイ」のスピンオフ作品「天間荘の三姉妹」を実写映画化。天界と地上の間にある街・三ツ瀬で、老舗旅館「天間荘」を切り盛りする若女将の天間のぞみ。妹のかなえはイルカのトレーナーで、母親で大女将の恵子は逃げた夫をいまだに恨んでいる。ある日、謎の女性イズコが小川たまえという少女を連れて天間荘を訪れる。たまえはのぞみとかなえの腹違いの妹で、現世では天涯孤独の身だったが、交通事故で臨死状態に陥ったのだという。イズコはたまえに、現世へ戻って生きるか天界へ旅立つか魂の決断ができるまで天間荘で過ごすよう話す。物語の軸となる三女たまえをのん、次女かなえを門脇麦、長女のぞみを大島優子が演じ、母親役で寺島しのぶ、父親役で永瀬正敏、イズコ役で柴咲コウが共演。「あずみ」「ドアマン」の北村龍平が監督を務めた。
天間荘の三姉妹評論(4)
イズコさんの「お往きなさい」の台詞も出てきたし。
うーん、のんちゃんに当て書きしたとも言われてるけど、のんちゃんの演技の幅を狭めてないかな…と少し不安になる。
大島優子、門脇麦、のん三姉妹が「のぞみ、かなえ、たまえ」という名前なのは、私の世代だと、まず最初に「めだかの兄妹」が思い浮かんでしまうんだよねww
つまらないわけではないけど、見終わった後に消化不良のような感覚が残った。
監督さんの登壇があった。私はたぶん初めて作品を見た監督さんだったけど、アメリカ在住でハリウッドを中心に活躍されていると知って、わざわざ大阪に来てくださってることにちょっと感激。監督さんもかなりの自信作と自負しておられるようだったので期待大で鑑賞スタート。
高台にある景色がいい宿とそばにある地元民に愛されてそうな水族館、海や自然という羨ましいロケーションの世界で暮らしている登場人物たち。けれど、物語が進んでいくにつれ彼女たちの過去が明かされ、彼女たちが置かれている状況が明らかになっていく。そんな天間荘に妹たまえがやってきて話は進んでいくけれど、、最後に彼女たちが決断して向かうその結末がなんとも切なかった。
泣かなかったけどぐっとくる場面は随所にあった。
ファンタジーなんだけどリアル世界のどこかに居そうな人たちが三ツ瀬には居て、それぞれ思い思いの生活をしている、そのシーンがすごく好きだった。
でも、現世に帰るシーンのあのCG演出はあれで正解だったのかな、ちょっと笑いそうになってしまった。(なんかテルマエの時代を行き来するあのシーン思い出した笑)
魂という実体のないものを描くのは難しいと思うけど、なんかちょっとCGが過剰だった気がしなくもない。
主演ののんさんは、とにかくさかなのこだった。喋り方と天真爛漫なキャラ、ウエットスーツも相まってすごく既視感を感じた。悪い意味じゃなく、今回もはまっていた。
個人的には門脇麦さんの役が好きだったな。自然で上手かった、さすがすぎた。他のキャストもすごく豪華だった。
「亡くなった人は心の中で生きてる」ってよく言われるけど、それを説教くさくなく映像で表現されてるこの映画を見ることで、自然と亡くなった大切な誰かを思い出させ、今を生きる尊さに改めて気付かされると思う。
走馬灯の位置付けが素敵だった。
これは、のんちゃんのあて書きみたいな脚本。
笑って泣いて、ポジティブもネガティブも併せもち、不思議ちゃんみたいだけど説得力があり、泳げて走れて、いるだけで周りを元気づける女の子のキャラが心地よい。
そして、亡くなった人たちへのレクイエム的な内容は、一歩間違えると大川◯法みたいな宗教映画になりかねないし、チープなお涙頂戴にも落ちかねない。
それをギリギリでエンタメを保ち、また生き残った者たちへの応援歌みたいな優しさに満ちていて。
普遍的な愛と、死への向き合い方を描き、ヒューマニズムに溢れていました。
『あずみ』『ゴジラ FINAL WARS』などバイオレンス&ノリと勢いみたいなイメージだった北村監督の意外な一面を見ました。
門脇麦、大島優子らも素晴らしい演技。
友情出演の中村雅俊の存在感の濃さ。
よき映画でした。
劇場に行ってから初めて、エンドロールてで高橋ツトムの『スカイハイ』のスピンオフと知って驚き。
そういえば実写『スカイハイ 劇場版』も北村監督だったっけ、と思い出す。
イズコが釈由美子でなく、柴咲コウだったので気づくのに遅れました。
豪華キャストは流石の演技と言ったところでした。私は邦画見る比率そんなに高くないので偉そうに採点は出来ませんが、こういう作品だと演技力の差って結構分かるもんなんだなと新しい発見をしました。特に大女将役の寺島しのぶさんと財前役の三田佳子さんの演技が好きでした。