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ある日、ある女。 プロット 日本 05月20日 2023 台灣上映
ある老女の物語 プロット オーストラリア 09月27日 1997 台灣上映
女は女である プロット フランス 02月22日 2020 台灣上映
大阪ハムレット プロット 日本 01月17日 2009 台灣上映
大阪カジノ プロット 日本 04月20日 台灣上映
ある女の存在証明 プロット イタリア 06月07日 1986 台灣上映
ある大阪の女評論(2)
溝口監督『浪華悲歌』(1936年)のリメイク。
親の借金を返すため金持ちの妾となる若い女の物語。
(戦前の『浪華悲歌』と高度成長期1962年の本作ではストーリーが若干違うが。)
『浪華悲歌』の冱え冱えとした山田五十鈴に比べて、本作の団令子はどことなくチープでセカンドラインだなあと思った。
必ずしも「セカンドライン=廉価版」が悪いという訳ではなく、団令子の、気安さ、隣のお姐ちゃん感が、本作のアヤ子という役に、ものすごくマッチしていた。
高嶺の花というよりは、男の人がちょっとチョッカイかけたくなる感じ、誰かの愛人にヒョイとなれちゃう感じが、絶妙だった。
身の丈にあってない小綺麗な暮らしに憧れる庶民の貧乏くささが、切実だった。
「あんぱんのへそ」と渾名をつけられた団の安さの面目躍如。
団令子といえば、小津監督『小早川家の秋』でのあっけらかんとした現代っ子役が印象的だが、本作ではその現代っ子(といっても50年前の映画だけれども)の影もサラっと見せる。
共演陣も皆イイ味。
昼間から酒臭いダメな父親役・藤原釜足が、本当に臭そうでイイ。
アヤ子を愛人にする社長役・小沢栄太郎が、本当に嬉しそうでウキウキしており、スケベそうでイイ。やってることはダメなんだけど、ちょっと可愛く見えてしまう。
その小沢よりさらにスケベで因業な山茶花究もイイ。
小ズルい婚約者役・川崎敬三も、イラっとするほどズルくてイイ。
ダメな男と、ダメな女の、どっちもどっちな騙し合い。
当然の帰結とも言える苦いラストを迎えるが、「今度は上手くやったるわ」と去っていく団の後ろ姿が、しぶとい。
可愛くてズルくて愚かで、それでいて純で、なおかつ、図太い。そんな団令子が素晴らしかった。
ダメな大人達の中、唯一真面目な妹役・初風諄が初々しいのも良かった。
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作中のジャズと川の流れが『エヴァの匂い』(1962)も彷彿とさせ。浪速のジョセフ・ロージーと言ったら、褒めすぎか。