「王の涙
イ・サンの決断」のヒョンビンと「ベテラン」「極秘捜査」のユ・ヘジンが、韓国と北朝鮮の刑事を演じたアクションエンタテインメント。アメリカドルの偽札を作成する犯罪組織の捜査にあたっていた北朝鮮の刑事イム・チョルリョンは、上司の裏切りにより仲間と妻を殺されてしまう。偽札作成の銅版を奪って韓国へ逃亡した組織から秘密裏に銅版を取り返すべく、北朝鮮はチョルリョンをソウルに派遣。北朝鮮から国際犯罪者の逮捕要請を受けた韓国は、歴史上初となる南北共助捜査を極秘に契約する。しかし、韓国サイドは北朝鮮の本当の思惑を探るため、担当刑事のカン・ジンテに偽装捜査を指令。ジンテはチョルリョンの監視任務を遂行する。ヒョンビンが北朝鮮サイドの刑事チョルリョン役を、ヘジンが韓国サイドの庶民派熱血刑事ジンテ役を演じるほか、「ビューティー・インサイド」などで知られ、2017年10月に事故で他界したキム・ジュヒョク、アイドルグループ「少女時代」のユナらが出演。
コンフィデンシャル 共助評論(20)
北朝鮮内で贋札の捜査に当たっていた刑事チョルリョンは上官ギソンの待機命令を無視して部下とともに製造現場に突入するとそこにはギソンの姿が。ギソンはチョルリョンの部下を皆殺しにして逃亡、犠牲となった部下の中にはチョルリョンの妻もいた。ギソンがソウルに渡航したことを掴んだ北朝鮮はソウルで開催される南北長官級会談期間中の3日間でギソンが持ち出した贋札の原版を奪還するようチョルリョンに命じる。北朝鮮から異例の南北共助捜査を依頼された韓国はチョルリョンの監視役として窃盗犯を取り逃がして停職中のジンテを指名、協力すると見せかけて北朝鮮の本当の目的を探ろうとする。
復讐に燃えるチョルリンとドジ中年のジンテの凸凹コンビは『リーサルウェポン』への目配せがパンパン、ジンテの家に居候している義妹がチョルリンに一目惚れするベタなラブコメ要素も微笑ましい。ハイテンションな殺陣も見応えがあるし、ロケ撮影による過激なカーアクションも眼福。人情ドラマを丁寧に積み重ねているので男泣き必至のソウルフルなクライマックスもガッツリ映える。照明の当て方一つ取っても配慮が行き届いているし、昭和の刑事ドラマのようなジャジーな劇伴もハマってるし、どこにも死角がない。こういうエモーショナルなアクション映画はもう日本では作れないのかと思うと淋しくなりました。
そんな中で、徐々にバディとしての信頼関係を築いていくのが本作の見物。特別だったり驚くような仕掛けは用意されていない。シンプルに2人が心を通い合わせていく様を楽しんだ。
それにしてもヒョンビンのカッコよさったらなんだ!?笑顔のシーンは少ないが、クールな表情、鋭いアクション、大胆な追跡・逃走シーン。素晴らしかった!
そしてユ・ヘジンの安定感。こんな準主役もあり。幅の広さを感じる。
刑事を撃った奴を捕まえないでどうする?
今は南も北も関係ない!
日本版ポスターのイメージや謳い文句から、シリアスな感じかなぁと思っていたら、
スマートでクール、復讐に燃える北、妻の尻に敷かれながらも家族に愛され、熱く優しい南の刑事という対比。
凸凹バディアクションものとして、頭を使う事もなく楽しむことができました。
衣食住を共にすることで、互いにキャラやスタンスは崩すことなく、受け入れていく。
冒頭のセリフは、韓国の刑事が、お高いスーツ族に言い放ったセリフ。
純粋に、あ、いいなぁと思った。
ほんとに極秘捜査だよね?っていうツッコミどころは多々ありますが、、、。
北が絡む映画というと、シビアなイメージがあったのですが、こんなに見易い映画もあるんだなぁと自分の中では驚き。
☆面白いと思ったこと
韓国語では、携帯電話(スマホ)のことを핸드폰 (へんどぅぽん、要はhand phone)と言います。劇中ではiphoneをスマホと訳しているので、セリフは아이폰(あいぽん)になってますが。
そして、北の刑事が口にするスマホという単語が聞きなれず、、、손전화?これは直訳すると手電話。英語を避けてこう言うのかな?この映画ではスマホがセリフにも多く出てくるし、活躍もするけど、こんなところからでも言葉の違いがわかるのでおもしろかったです。