「エルネスト」「人類資金」の阪本順治監督のオリジナルストーリーで、稲垣吾郎が主演を務めた人間ドラマ。稲垣が主人公となる炭焼き職人の紘を演じるほか、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦ら実力派キャストが共演する。山中の炭焼き窯で備長炭の職人として生計を立てている紘の前に元自衛官の瑛介が現れた。
突然故郷に帰ってきた瑛介から紘は「こんなこと、ひとりでやってきたのか」と驚かれるが、紘自身は深い考えもなく単に父親の仕事を継ぎ、ただやり過ごしてきたに過ぎなかった。同級生の光彦には妻・初乃に任せきりの息子への無関心を指摘され、仕事のみならず、反抗期である息子の明にすら無関心だった自分に気づかされる。
やがて、瑛介が抱える過去を知った紘は、仕事、そして家族と真剣に向き合う決意をする。2018年・第31回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、観客賞を受賞した。
本站關於電影海報,預告,影評,新聞,評論的綜合性電影網站,我們提供最新最好的的電影以及在線影評,業務合作亦或意見建議請電郵我們。(Copyright © 2017 - 2022 KKTM)。聯絡我們
半世界評論(20)
色気も残しながらも、母として妻としてどっしりとする池脇千鶴が好演。この安定感がなければ、もっと危うさを感じざるを得なかったかも知れず、紅一点ながらも見事に話全体のバランスをとったように思う。
キレた長谷川博己は若干のカタルシスあり。この役どころも良い塩梅。
それは、人に語らず、世間から認知されず、そして自分自身でも消化し切れていない自分の“半身(はんみ)”だ。
山が海端まで迫る小さな町の小さな物語。
(自衛隊の「海外派遣」は一瞬でもニュースフィルムかスチル写真を挟んだほうが若い観客には親切だったかもしれないね)。
3人の親友たちがそれぞれ中年になって再会する。そして大きくて補いようのないそいつらの半身の欠けをば助けてやろうとみんなしてお節介を焼く物語なのだ
友達のよしみというやつだ。
中古車屋でのヤクザとの喧嘩
「なんだ貴様は?」
「友だちだッ」⇒ここ最高!!
破れた雨戸を直してやる
おいおい話を聞いてやる
お前のことはお前よりわかっていると臆面もなく言う
親友の息子にウドンを食わせる
親友の子にケンカを教える
夫のプライドを支える
息子の進学費用のために妻は隠れて商談をまとめる
二等辺三角形の底辺=目立たない役回りを生き切ってやろうと腹をくくった三枚目の光彦。あの笑顔の奔走が物語の要所を締める。
光彦はホントは池脇千鶴が好きだったのさ。
見進めるうちにこの優しい関係の中で誰かが死ぬのではないかと不安がよぎる。目立たぬ扇の要=光彦の死かと思ったらフェイントで稲垣吾郎とは。
地味な死だ。
ウドンと、さんまと、質素な日々の弁当が、微笑ましくも慎ましやかな小道具だ。支え合う旧友たちの姿は、どんな酒池肉林の宴会にも勝る共に生きる食卓だ。
自衛隊の瑛介が青森に送っていたのも伊勢エビではなくみかんの箱だった。
弱いところへ、足りないところへ、ささやかに思いが流れていくんだ。
そして、年取った父親たちが息子たちに“陰に日向に”差し出す助け船がとーっても良かった。
・・・それらこれらを全部をその眼にとらえて、息子アキラは、反目し疎遠だった父親の生きていた世界を発見していったわけだ。
植木等は著書で言っている
「『おい』。『うん』。父親と息子はそう言っているうちに死別する。息子は父親を理解するには若すぎるのだ」。
(「夢を食いつづけた男: おやじ徹誠一代記」)。
「半世界」は、自分では埋められない。「棺に一緒に入りたい」と泣きすがるようなお節介な誰かが、また「父親のようになりたい」と思った“後悔先に立たず”の息子が、愛する存在の欠けの半分を埋めようとしてくれていたのだ。
自分半分と、他者半分と。それでその人間は完成している。
エンディング。
小さな学生服だった少年が、同じ子役とは思えない成長ぶりでスーパームーンの出現のように物語を完成させる。
カメラと演出のGJ。
素朴な炭焼き職人は地味に死んだ。劇的な何かを残したとか、アッと言わせるようなどんでん返しもない。
竹とんぼ一つとボソボソ声の留守電を残しただけ。
だから彼は彼としての存在をまっとうしていて、欠けがあるままの味わいを、友人たちと家族の眼差しの先に墨絵のようにして遺す。
・・・・・・・・・・・・・
稲垣の登用は賛否あるが、地が下手だから脚本全体の中で目立たない冴えない役どころを与えられていて、そこで活かされていたと思う。
いい邦画を観たと思う。
こんなにいい題名もあまりないと思う。
軽い気持ちで。
でもとても良かったです!
吾郎ちゃん、長谷川さんがあの町には綺麗すぎだったのが
ちょっと残念。
伏線も気持ちよく回収。
最後はそう来たか!と。
とにかく染みた!
こういう邦画ってホントに良いですね。
無骨で格好いい。
アイドル時代しか知らないのでこんなに演技がうまいって知らなかった。
長谷川さんの意外な一面も観れた。
終始モヤモヤするストーリーだけど観入ってしまった☺
劇場時はこちらでは上映されず、レンタル時も阪本順治監督作ながら何となくスルーしていたのだが、国内映画賞で軒並み高い評価や受賞し、慌てて鑑賞。
当初は何となく見ていた感じだったが、見終わったら、じんわり心に残る良作だった。
ある地方都市。炭焼き職人の紘。
何となく父の後を継ぎ、家族は居るが、妻任せ。息子が学校でいじめに遭っている事も知らず…。
そんなある日、中学の同級生で自衛隊員の瑛介が退官し、帰郷して来て…。
紘と同じく地元暮らしの光彦も誘い、酒を飲み交わす。
談笑し、久々の再会を楽しむ同級生3人。
あの頃と変わらず…と言いたい所だが、彼ら一人一人、その周囲、大きく変わっていた。
紘は先述の通り。
光彦は一見明るいが、紘の事をよく気に掛け…。自身も妻との間に子供が居ない事を気にしている。
そして、瑛介。退官と離婚をして、突然の帰郷。しかし、それだけではない。何か、あったようだ…。
少年時代ならぬ“中年時代”。アラフォー目前の男たちのほろ苦い青春ドラマ。
それぞれ心に傷を抱え、何かしら背負っている。
友情を確かめ合い、家族との関係や自分の人生を見つめ直していく…。
世界は国家間の紛争と、もう“半分”の世界で出来ている。
市井の人々が営む“半世界”。
そんな視点から阪本監督が築き上げた半世界(=オリジナル脚本と演出)に、見ている内に自然と身が委ねられていく。その手腕はさすが。
役柄はキャストに当て書き。
稲垣吾郎の素のような等身大の好演。
渋川清彦のこんな友人いるいる感。
長谷川博己の複雑な巧演。
3人の味わい深い演技や個性派・実力派・ベテラン揃う中、紘の妻役の池脇千鶴が印象的。
母として息子を気遣い、妻として夫に“今日もおバカ弁当”を作るなど辛辣でもあり、田舎の良妻賢母をリアルに体現。紘もこんな出来た女房が居るからついつい何となく甘えてしまっているのかなぁ、と。また、終盤のあるシーンでは夫への愛情を滲ませ、感動させる。
内助の功。
息子はいじめに立ち向かう。
不器用ながらも再び家族と距離を縮める紘。
ある悲劇を自分のせいと責め続ける瑛介。
この半世界の片隅で、細々ながらもしっかりと…。
それはあまりにも突然の別れ。
自分は自分の人生を生きて来られたのか、これから自分の人生を行けるのか。
出会いと別れ、交流、再スタート…。
悩み、触れ合い、見つめ直し、見出だしながら、
この半世界を生きていく。
少々この場を借りて…
今日まさに、米アカデミー賞で『パラサイト』が史上初の大快挙を成し遂げた。
驚きと共に同じアジア人として嬉しく誇らしくもあるが、激しい嫉妬も。
これでまた日本映画は韓国映画に差を付けられた。
いや勿論、日本映画だって本作のように良作はたくさんある。
しかし、日本映画全体に訴えたい。
日本映画、何やってんだ!
本当にこのままでいいのか!?
本作の台詞を借りるなら、甘ったれるんじゃねぇ!