風の歌が聴きたい
プロット
日本
07月18日 1998 台灣上映
アイの歌声を聴かせて
プロット
日本
10月29日 2021 台灣上映
ぼくの歌が聴こえたら
プロット
韓国
06月10日 2022 台灣上映
私だけ聴こえる
プロット
日本
05月28日 2022 台灣上映
傷だらけの挽歌
プロット
アメリカ
01月01日 1900 台灣上映
オリーブの林をぬけて
プロット
イラン
12月10日 1994 台灣上映
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風の歌を聴け評論(5)
今も有るもの無いものに心惹かれる。
その昔、元町ヤマハの前を通ると店の中に真行寺君枝さんを探してた。レコードは無いけど。
同じところに生きてきたので原作云々以前に青春の思い出が焼き付いた風景である。
中で流れる山崎ハコ?の歌は何という曲だったんだろう。
心に傷を負う若者達の交流を描く青春映画。
原作は日本を代表する作家村上春樹の処女作。
監督の大森一樹は村上春樹の中学校の後輩ということもあり、村上春樹文学の持つ独特な世界観を忠実に再現していると思う。
僕、鼠、小指のない女の子という3人に着目し、それぞれの背後に存在する何者かの死、そしてそこからくるのであろう喪失感というものを描き出そうとしている。
個人的に凄く好きな小説であり思い入れもある為、原作の空気感を丁寧に再現してくれていることは素直に嬉しい。
しかし、もの凄く根本的な問題なのだが、村上春樹の小説は映画化に向いていないと思うのです。
文学的な面白さと映画的な面白さはやっぱり違うので、どれだけ忠実に原作を再現しても映画的には面白くない。
原作からして物語らしい物語がないので、映画化するにあたりドラマ的なものを付け足しているのだが、やはりそこが浮いてしまっているように感じる。
ネズミとその彼女が金持ちを間接的に殺したところとか、「僕」がレコードを借りパクした女の子と病気の女性が同一人物であるかのような描写とか、映画オリジナルな部分と原作に忠実な部分で微妙に温度感が違う気がする。
原作を読んでない人からしてみれば気にならないのかもしれないが、そもそも原作を読んでいなければこの映画の意味は全く分からないのではないだろうかという気もする。
決定的にダメなのは、ラジオDJの阿藤海が下手すぎるところ。
…いや、噛みすぎだろっ!病気の女の子を紹介するというシリアスなシーンの筈なのにギャグシーンにしか見えなかった。何故あれでOKしたのか謎すぎる。
あと、ネズミの撮った自主映画。
ネズミが行う自己表現が、原作の小説執筆から自主映画の制作へと変更されている。
表現媒体に合わせた変更に文句無いけど、撮った映画の内容がチャップリン的なコメディって…
終始深刻な顔をしていたネズミが自主製作の映画の中ではスコップ持ってヘルメットかぶって戯けていて、いくらなんでも全体の雰囲気から浮きすぎてるだろ、と思わざるを得ない。
自主映画で表現したいことはわかるのだが、只々バカにしか見えなかった。
映像化したことで凄く良かったところもある。
特にビーチ・ボーイズの「カリフォルニア・ガールズ」がかかりながら、神戸のどんよりした港が映し出されるシーンは凄く気が利いていると思った。カリフォルニアの輝かしいイメージと、自分達が実際に生活している現実がうまく対比されています。
クライマックスの一言、「ドリーム号はもうない。」という映画オリジナルのセリフも良い。
キャスティングはなかなか良かった。
若い時の小林薫は確かに村上春樹に似ているかも。まあ、どうしても21歳には見えなかったけど。
真行寺君枝さんはめちゃくちゃ綺麗!イメージぴったり!
なにより室井滋が良かった。村上春樹の小説によく出てくる、あまり綺麗ではない女性という人物像にぴったりフィット。
映画化にあたり、ダメなところははっきりあるものの、かなり好きなタイプの映画。
現代でも古くなっていない、経済的には満たされている人間の空虚感のようなものが満ちる味わい深い作品です。
感情的な部分は読み取れるのだが、ストーリーが難しい!