2004年に韓国で起きた「密陽女子中学生集団性暴行事件」を題材に描き、ロッテルダム国際映画祭最高賞など数々の映画賞を受賞したドラマ。普通の女子高生ハン・ゴンジュは、ある事件に巻き込まれたことをきっかけに転校を余儀なくされる。絶望の淵に立たされながらも、新しい友だちとの触れあいや大好きな歌を通して少しずつ笑顔を取り戻していくゴンジュだったが、前の学校の親たちが彼女の前に現われたことで状況が一変する。主演は「サニー
永遠の仲間たち」「母なる証明」のチョン・ウヒ。2015年1~2月にヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品。
ハン・ゴンジュ 17歳の涙評論(8)
でなければ哀しくなりすぎるから...
映画を見ながら怒りや哀しみ...
行き場をなくした感情をどこかにぶつけてしまうから映画でも淡々に描かなければならないと最後まで伝えられないから。
被疑者の保護者達が学校に来る場面や
勝手な親...
実話の被害者の女の子が受けた苦痛に対すると1/100にも満たないと思うが...主人公の演技もなかなかの物だと思う。
あの事件を忘れさせない為の映画。
友人を救えなかった絶望を抱えながら
何度も息継ぎした結果たどり着いた希望。
どんよりする余裕のある時にどうぞ。
新作DVDなのに、ちょっと高い投資だった。今年はなぜか韓国映画には、良作に巡り合わない。
痛ましい実話をもとにしているということはあまりにもわかりきったことで、そのことに忠実であるというだけでは映画としての存在意義は弱い。
しかし事件自体に対しても大いに雄弁でなければならないという意思が感じられ、この映画を見た者が事件の悲痛さに驚きや憤り、哀惜の念をあらたにすべきことも意図してはいる。
けれどもこの作品に施された伏線、事件を離れて創作されているフイクションの部分に注目したとき、ただ興味本位に事件を再確認することの無意味さ、無力さ、無神経さを理解したうえで乗り越えようという意思を感じる。
映画のタイトルは「ハンゴンジュ」であり、コンジュとは公主、王女のことになる。
抗うことのできない現実を、ただ受け入れるしかなかった人間としてではなく、そんな現実の中ですら魅力的でかけがえのない日常の輝きを放つ「人生の主人公。」
見終わったときに残るものはおぞましい人間性への嫌悪でも、現実への諦めでもない。
ただそれでも生きてほしい、生きたいという、悲痛で切実な心の渇きではないだろうか。
この映画を見終えた後、いつまでも繰り返し響き続けるコンジュの歌声を感じたすべての人には、単なる他人ごとではない生きることへの渇望が宿る。