「ミッドナイトスワン」の内田英治が監督・原案・脚本を手がけ、声を捨てた青年と視力を失った音大生が静かに思いを紡いでいく姿をつづったラブストーリー。ある出来事をきっかけに声を発することをやめ、毎日をただ生きているだけの青年・蒼。不慮の事故で視力を失ったピアニスト志望の音大生・美夏と運命的な出会いを果たした彼は、絶望の淵に追い込まれながらも夢を諦めない彼女にひかれていく。美夏をすべての危険から守ろうとする蒼だったが、彼女に思いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。そんな蒼の不器用な優しさがようやく美夏の心に届きはじめた矢先、運命の渦が2人をのみ込んでいく。山田涼介が主人公・蒼、浜辺美波が音大生・美夏を演じ、野村周平、古田新太が共演。久石譲が音楽を担当した。
サイレントラブ評論(4)
過去に負った傷で話せない蒼(山田涼介)と不慮の事故で視力を失った美夏(浜辺美波)の話。
校舎の屋上でペンキ塗りをしてた蒼、そこへおぼつかない歩きで屋上へやってきた美夏、屋上の手すりから身投げしようとする美夏を止めた蒼、そこで出会った二人のストーリー…その場に美夏が落としていった鈴…。
屋上からの出会い…街中でみかけた美夏、校舎内にある使われてないピアノが置いてある教室でピアノを弾く、歩く先を塞ぐ人の誘導など、優しく見守る蒼の優しさに涙。二人で一緒にいる描写を観てるだけで何か涙出てきた。
「LOVE」、愛の形は色々あるけれど、一緒にデートや体を重ねる事だけが愛ではなく、その子の為に少し離れた処から見守る姿の蒼の「Silent Love」、ちょっと不器用で喋れない蒼だったけど素敵なストーリーでした。
本作の世界観、雰囲気よかった。
中盤までの、成りすましによって生じる三角関係を描く展開は、「シラノ・ド・ベルジュラック」のような切なさも感じられて、それなりに引き込まれる。
だが、物語が、拉致やら、リンチやらの血生臭いトーンに転調するに至り、こうした暴力やアクションは本当に必要だったのか?という疑問が生じてくる。
しかも、わざわざ主人公が罪を被らなくても、ヒロインは、過失とか、緊急避難とかで、大きな罪に問われることはないのではないか?という、より大きな疑問も生じるのである。
恋人たちに大きな試練を科すためなのかもしれないが、こうした納得のいかない展開には、どうしても「あざとさ」を感じざるを得ない。
気が強くて性格の悪そうなヒロインにしても、悪い奴なのか良い人なのかよく分からない恋敵にしても、やたらと卑屈すぎる主人公にしても、どのキャラクターにも魅力が感じられず、感情移入ができないのも残念としか言いようがない。
何よりも、主人公とヒロインが、相手に対して抱く「同情(夢を叶えてやりたい)」とか「感謝(いつも助けてくれた)」といった気持ちが、どのようにして「恋愛」に発展したのかが実感できないのは、ラブストーリーとして致命的ではないだろうか?
すれ違う2人の悲恋が、まったく胸に響いてこないのも、ラストの美しいキスシーンが、あまりにも唐突で、空虚に感じられるのも、そのためだろう。
しかもバタフライナイフ腹にひと刺しですぐに警官駆けつけてるのに死ぬか?
逆に喉に深々刺さったら出血で息吸えないわ!
って突っ込むのは置いといて…
山田くん頑張ってるのはよくわかる作品です。
当たり外れの大きい?彼にしては当たり寄りかな(笑)
野村くんは良い人なんだけどゲスい感出すのホント上手いよね。
美波ちゃんは残念ながらイキイキした浜辺美波が全く消されてるのが残念。
イキイキしてる感のカケラもありません。
これじゃ浜辺美波でなくても良かった。
逆に何故彼女の良いところを消してまで持って来たのか?
どっかからのブッシュ?
キャスティングって大事だよねー。