日本の怪談「百物語」をモチーフに製作されたニュージーランド発のショッキングスリラー。暗い部屋に友人たちが集まり、怪談を語り終えるごとに1本ずつロウソクを吹き消すというゲームを始める。やがて彼らの周囲で奇妙なことが起こり始めるが、一度始めたゲームは決して途中で止めてはならず……。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2021/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2021」(2021年7月9日~8月5日)上映作品。
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劇場版 怪談百物語評論(2)
まず初めに、ある人は、この作品の事をオムニバスとは区別してアンソロジー・ホラー映画と呼んでいる方もいる。
映画の生産国であるニュージーランドと言えば『ロード・オブ・ザ・リング(2001)』や『ラストサムライ(2003)』のロケ地として有名で、しかも土地柄が示すように、日本と赤道を挟んで同緯度なので四季もあり、ただ日本のような梅雨がないのでカラッとした夏の天気に良く似合うマリンスポーツが盛んで、ヨットの保有率が世界最高と共にアメリカズ・カップをはじめ多くのヨットレースに優勝を飾っている。それはニュージーランドの一番の玄関口であるオークランドを訪れれば、その地の特異性である傾斜のあるダウンタウンから、その港を見渡すことで、一面、ヨットの数だけ目に飛び込んでくる。
ニュージーランド産ホラー映画と聞けば、前述の『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督がまだハリウッドに進出する前のニュージーランド時代に彼をカルト映画の巨匠とまで言わせた超が付くほどのギッドギド・スプラッター映画『ブレインデッド(1992)』が第一に想い浮かぶ。特に目を引くのはニュージーランドではお父さんの必需品アイテムの一つ芝刈り機を使ったゾンビの撃退方法の彼流のアイデアが面白さのあるコメディ色豊かなゴーリーな作品になっていた。
この映画『怪談百物語』は室町時代から江戸時代にかけて武家社会で流行った百物語をベースに、その性格から肝試し風な当時の屋内におけるパーラーゲームと捉えることが出来るかもしれない。ただし、日本では百話を話し終えて100本目のろうそくを消して真っ暗になった時に初めて物の怪が現れるとされているけれども、この映画では一話が完結して、ろうそくを消すたびに不思議な事が起こるアレンジが付け加えられている。
2017年にニュージーランドのオークランドでこの映画のプロデューサーであるミヒャエエル・クレッツァーとプロデューサー兼監督のニコラス・オネッティが立ち上げたホラー専門製作会社"BLACK MANDALA" によるアンソロジー・ホラー映画でニコラス・オネッティ監督は2013年からアルゼンチンで映画の制作に参加していた事から、アルゼンチン出身の女優マグイ・ブラビら4人のゲーム参加者の中で彼女がMC的存在で、スパニッシュ・アクセントなところやアンソロジーの話の中の一つオリバー・ガーランド監督による『BURIED ALIVE』では、全編スペイン語でセリフが構成されていた。その他の作品は、アメリカ人の受け狙いのポピュラー性も視野に入れたのかも知らないけれど... (一部"BLACK MANDALA"の公式サイトより抜粋 )
本作『怪談百物語』を観賞をしてみて純粋で何故か新鮮に感じるものがあった。その事は、ほぼすべての映画製作に関わった人達が監督も含めて映画デビューであるという事。その未熟と思われることに反して、嬉しくなるような裏切り方で驚くほど鮮明な撮影からギミックによる芸術性など、本当に優れたサウンドデザインやフィルムスコアによって作り上げられた映像や映画スタイルの完成度が非常に高いことが言えるかもしれない。
スクリプト全体を通しては、キングの『シャイニング』であったり、古典的映画『ローズマリーの赤ちゃん』風なオモムキやデーモニックな『エクソシスト』を取り上げたものやジャンプ・スケアーな作品も物語に登場させ、各物語の締めには意外性のあるプロットが存在している。その中でも気になったのがダニエル・リュベサム監督の『WHEN DEMONS DIE』の父親という保護者と思っていた男が実は...というような作品や閉所恐怖症の方はオリバー・ガーランド監督の『BURIED ALIVE 』は避けた方がいいかも? この閉塞感や窮屈観は半端ではないので...
’60年代を代表する大映の妖怪フランチャイズの一つで『大魔神』や時代劇を代表するバイプレーヤーの神田隆さんが出演していた『妖怪百物語(1968)』に顔つきが異常に恐ろしい悪役しか見たことのない伊達 三郎さんとアニメキャラに出てきそうなとぼけた結城市朗さんが役名のない浪人役で出演されていた場面が今でもトラウマとなっている。あまりにも稚拙なろくろっ首にはあきれても、それが何とも言えない恐ろしさが満点!
Well, “slithy” means “lithe and slimy”. “Lithe” is the same as “active”.
You see it’s like a portmanteau – there are two meanings packed up
into one word.
「slithyという言葉は、滑らか(lithe)で粘っこい(slimy)ことだ。2つの意味が1つの言葉に詰め込まれたこの言葉は『旅行かばん(portmanteau)』のようだろう」
児童文学者ルイス・キャロルによる児童向け小説で何度か映画化されている『鏡の国のアリス』で彼が初めてこの世に出したとされる造語「かばん語(Portmanteau Word)」... この言葉は小説の登場人物のハンプティ・ダンプティのラインから生まれている。
この映画『怪談百物語』は4人が百物語のゲームに参加するストリーテラーの部分と彼らが語る恐怖のエピソードの場面が旅行鞄の見開いた状態となり亜流のシンメトリーと言えるものとなっている。そして、その事よりかばん語・ホラー・アンソロジー"portmanteau horror film" という共時性が生まれる。
一話が終わるごとに怪奇現象が4人に降りかかってくる演出は一見、優れたアイデアとも映るけれども実際は見方として、スムーズなプロット展開なのに流れを妨げ、話に乗り切れない障がい物となっている。それと、グイラー・ロックハート監督が撮ったストーリーテラーの進行役のゲーム参加者のメイン4人の演技がいただけないほどのダイコンぶりには、お手上げ状態にもなってしまっている。
それと大ラスの拍子抜けするような終わり方って、どうなのか⁉