女だけが暮らす男子禁制の山奥の集落を舞台に、秘密の共同体の崩壊と母娘愛を描いたドラマ。山奥に人知れず存在する、女だけの男子禁制の村。村長である鬼熊(オニクマ)が、山を下りて、収穫した大麻を売った金で村の女たちが必要な品々を買って来る。この一連の行動が、28歳となった娘の鹿宮(カグウ)と14歳のその娘・奇稲(クシナ)ら、村の女たちを守っていた。閉鎖的なコミュニティに暮らす人びとを調査する中で、村を探し当てた人類学者の風野蒼子と後輩の原田恵太。2人を期間限定で村への滞在を許可したオニクマのこの判断により、女たちそれぞれが決断を迫られていく。ヒロイン・クシナ役を本作が映画デビューとなる郁美カデールが演じるほか、廣田朋菜、小野みゆき、稲本弥生ら女優陣が顔をそろえる。監督は自身の過去の体験をもとにした本作で長編デビューとなった速水萌巴。
クシナ評論(2)
自由を求めて試練を乗り越えてやって来た女が集うコミュニティ…とはいうけれど、言うほど閉塞感はない。
村長と28歳のその娘、14歳のさらにその娘を中心にみせて行くけれど、コミュニティや住人にどんな過去があるのかをみせる描写はなく、選択の重さや葛藤があまり伝わって来ない。
自分だけではなく、みんなの暮らしがかかっているのに、見逃した理由も女だからというぐらいしか見当たらないし、なぜそこに条件をつける様なヤツを信用するのか。
そもそもが女ばかりのコミュニティと知っているのに男を連れてくる時点でねぇ…。
男は手っ取り早いけど、女だって世間の話や思想を持ってくるという意味では十分通じるだろうし、フラッシュバックやセリフ等で過去の話も差し込めるだろうし、その辺がもうちょい上手く描かれていたらと勿体なく感じた。
クシナの思いや存在感は良かったかな。
監督の舞台挨拶がありビックリしましたが、その時クシナ役の女の子は3日ほどしか撮影時間がなくて苦労したとのことでした。