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ラ・ヨローナ 彷徨う女評論(3)
①ダブルベッドの上段から髪の毛が下りてくるシーンはホント怖い。②怪異譚だから説明されないシーンがあって当たり前。ただ、アルマとその子供たちが殺される直前の場面を追体験して最後に将軍を絞め殺して恨みを晴らすのが何故夫人なのかと言えば、冒頭で『私の目、耳、手、体になって…』と唱えていたのは夫人だったから。③直接的には「グアテマラ内戦」での虐殺が背景となっているが、この映画の本当に怖いところは人類の歴史の中で無数のアルマとその子供たちがいたこと、何人ものエンリケがいたこと、そして現代も同じことが繰り返されていることに思いを馳せられることだ。
ラ・ヨローナとは中南米に伝わる怪談で、それをベースにグアテマラの社会問題を絡めホラー映画にして、より多くの人に主張が伝われば─というようなことを監督は言っていた。
巧みな映像と絵つなぎで、非常に引き込まれたけれど、決して面白いとか楽しいというふうには形容できない。むしろつらく、気づいたら顔にしわを寄せている自分がいた。ちなみに自分はホラー映画は苦手です。だからあまり・・・
一度は有罪判決を受けるも取り消されて無罪となった将軍が、屋敷に帰って来ると、抗議の人集り。
混乱に恐怖を感じたメイド達は一人を残してみんな辞めてしまい、残ったメイドの紹介で新たに若いメイドがやって来て展開して行く。
若いメイドは初登場時から雰囲気を出しているものの、明確なラ・ヨローナのそれはなかなか出て来ず。
まあ、予感させる様なものや、自宅に籠城状態のストレスや不和は良かったけど。
やっとのことで明らかになったら、なかなか痺れる真実があったけど、そこまで引っ張ってそれだけかという物足りなさはあったかな。