名優・高倉健が主演を務め、第117回直木賞を受賞した浅田次郎の短編小説を実写映画化。「駅 STATION」「あ・うん」など数々の作品で高倉とタッグを組んだ降旗康男監督がメガホンをとり、定年間際の孤独な鉄道員に訪れる小さな奇蹟を詩情豊かに描いた。廃線間近となった北海道のローカル線・幌舞線の終着駅で駅長を務める佐藤乙松。今年で定年を迎える彼は、不器用なほどまっすぐに鉄道員(ぽっぽや)一筋だった自身の人生を振り返る。幼い一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、乙松は休むことなくずっと駅に立ち続けた。そんな彼の前に、ひとりの少女が現れる。愛らしい少女に、亡き娘・雪子の面影を重ねる乙松だったが……。共演には大竹しのぶ、広末涼子、志村けんら豪華な顔ぶれが揃った。2020年11月6日~、東京のT・ジョイPRINCE品川ほかにて4Kデジタルリマスター版をリバイバル公開。
鉄道員(ぽっぽや)評論(20)
今の人たちにはピンと来ないかもしれない
鉄道マンはその代表ではないだろうか
その悲しい宿命を描いたストーリー
舞台が北海道というところがリアルである
至る所にある廃線跡が華やかな当時を偲ばせる
幻は鉄道なのか、亡くなった娘なのか
映画内にあったセリフ
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鉄道は原野に戻る
どうする事も出来ない
でも思い出は残る
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人々の心の中に生き続けるその存在は
廃線跡のレールのように
誰にも消すことは出来ない
回想シーンとリアルタイムのシーンが交互に映し出される。妻と娘が死んでしまったということをわかっていないと前半は理解しづらい。だけど、高倉健の演技だけで泣けてくる・・・大竹しのぶや娘が出てくる前で十分感動できた。
「いやぁ~、しばれてきたね~」という言葉が妙に似合ってる健さん。幽霊ものでは滅多に泣けないのに、泣かせてくれる演技力・・・というより存在感だろうなぁ。
今観ると小林稔侍のビミョーな演技とか気にならないでもない。しかし、浅田作品のどこかふわっといい感じが出ている良作だと思う。