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少女娼婦 けものみち評論(2)
『追悼 内田裕也 スクリーン上のロックンロール』の特集上映にて鑑賞。いわゆる日活ロマンポルノの作品。家庭環境が歪な女子高生が、母親譲りの性に対する好奇心とファザコンを拗らせ、異性に対して並々ならぬ欲と愛情を求める構成である。
大人びてはいるが、一皮剥けば男に縋りたい感情をどうにも素直に吐き出せない“中二病”炸裂といった感じか。妊娠までしでかしても、結局子供故、それを整理できずに模索する姿を描いている。今作は内田裕也は安定に脇役に徹してるところが良い。
結局ラストは、母親同様女子高生が屋台を引くオチはよく分らないが、収まりが良いので余り違和感を持たない。頭でっかちの女子高生と、ノイローゼの男子高生、そしてだらしない大人達と、どうにも救われない連中を、それでも力強く生を全うするメッセージをスクリーンを通じて感じ取れる作品である。それにしても、足の裏を包丁で刺す件は、何かのオマージュなのだろうか?
何度となく登場するカット
男に抱かれる度に聞こえる微かな海鳥の鳴き声
女の人生もそうなのかも知れない
美しく心に残る撮影シーンがいくつかある
浜辺のへりの道を夕暮れにに屋台を曳く母娘
逆光の美しい波浪の中を入水自殺しようとする青年
吹っ切れた娘のなか放つ大きな花火のオレンジ色の火花
そして内田裕也の存在感
食うやる仕事する
それだけの毎日は退屈だ
本作も睡魔を催すほどに中盤は退屈だ
美しいシーンと内田裕也だけが本作を観る価値だと思った
神代辰巳監督らしさは十分にある