消防士兄弟の葛藤と日夜火災と戦い続ける男たちの群像を描いた大作ドラマ。放火犯探しというサスペンス・ドラマがサブ・プロットになっている。監督に「バックマン家の人々」のロン・ハワード。製作はリチャード・ルイス、ペン・デンシャム、ジョン・ワトソン。エグゼクティブ・プロデューサーはブライアン・グレイザーと「砂の惑星」のラファエラ・デ・ラウレンティス、脚本は「ハイランダー
悪の戦士」のグレゴリー・ワイデン。撮影は「オールウェイズ」のミカエル・サロモン、音楽は「パシフィック・ハイツ」など近年売れっ子のハンス・ジマー。特殊効果及びハイロテクニック(爆発と発火効果)はアレン・ホールが担当。
バックドラフト評論(20)
90年代の秀作ですね。過去鑑賞しているはずですが、WOWOW放映を機に改めて鑑賞してみました。
「バックドラフト」と言う火災現象を知った作品で、消防士という職業の過酷さと遣り甲斐について認識した作品です。アメリカでは、消防士のステータスが日本よりも高いと聞いているので、このような映画が制作されたのかもしれませんね。
ただ、作品としての私的評価は極めて微妙です。一番の原因は、色々と詰め込み過ぎなところでしょうか?親子、兄弟、兄夫婦、弟と恋人、火災現場、放火犯人捜し、不正。
クライマックスの火災現場での問答も長すぎて・・・
そりゃ2時間半近い時間になりますね。正直、疲れました。
私自身が公開当時は火災の知識など曖昧で、消火時にあんなリスクがあるのを初めて知った映画でもあった。
兄弟の絆、ひ弱な弟の成長物語かと想像したがそんなありきたりの話では無かった、これほど大迫力の火の演出は観たことが無かった。もちろん、バックドラフト現象も本作で知りました。それもその筈、脚本のグレゴリー・ワイデンさんは元消防士。
人間が大好きなロンハワード監督ですから兄弟の微妙な関係性、戦友のような仲間の絆、別れた男女の心残りなど情感豊かに描きます。危険と隣り合わせの消防士一家のDNAを主題に火災現場での火との格闘を描くだけでも見応えのある映画になったでしょうが謎の連続放火犯を追う調査官ドナルド役に名優ロバート・デ・ニーロまで出してサスペンス要素まで織り込む大サービス。
ブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)が狂人的放火魔のローランド(ドナルド・サザーランド)に放火犯のプロファイリングを頼むくだりは同年公開の「羊たちの沈黙」と妙に重なり、思わず唸ってしまいました。
崇高な職業を描きながらマッチポンプ的な事件の真相は後味の悪いものでしたが単なる英雄話に祭り上げず人の裏側もしっかり描くクールさはロンハワード流なのでしょう。
公開当時観ていた筈なのに消防署のペットのムク犬は忘れていた、ところどころ出てくるだけでしたがきっと彼らが火災現場から助けた犬なのでしょうと思わせる演出も上手でしたね、それにしてもトリミングやシャンプー位はしてあげればいいのにね。
ごうごうと燃え盛る炎の中に飛び込む消防士達の姿を見ると、何時の時代でもハラハラします。
ロバート・デ・ニーロやカート・ラッセル、スコット・グレンも皆若くて男祭り感?満載ですが、今回、ウィリアム・ボールドウィンがロン毛気味だとティモシー・シャラメに似ている事を発見しました!
ウィリアムの鼻の長さを少し削ると・・・どうでしょうか?
USJに「バックドラフト」のアトラクションがあって、昔は結構ドキドキしたけど、今でもあるのかな?