そして誰もいなくなった(1975)
プロット
イギリス
01月01日 1900 台灣上映
そして誰もいなくなった(1945)
プロット
アメリカ
01月01日 1900 台灣上映
私を判ってくれない
プロット
日本
09月09日 2022 台灣上映
離ればなれになっても
プロット
イタリア
12月30日 2022 台灣上映
大人は判ってくれない
プロット
フランス
03月17日 1960 台灣上映
誰も死なない
プロット
日本
11月22日 2008 台灣上映
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誰も守ってくれない評論(20)
役者もいい、題材もいい、なのにどこかチープな仕上がりに。
もっと深みが出るテーマな気がするのにそこに踏み込んだのに結局上辺をすくっただけのような。
テレビ局制作じゃないパターンを見てみたいなあと思ったもったいない作品でした。
あと音楽が頭からしばらく離れなくなりました。
事件の4ヶ月前を描いたTVドラマ『誰も守れない』では被害者家族の許へ検察庁の被害者相談室の支援員が即日訪れるのですが、この映画では加害者家族を守るために区役所職員や教育委員会までが家族宅へ駆けつけてくるのだ。なぜ区役所?などと首を傾げていると、いきなり離婚届と婚姻届の判を捺させ、容疑者家族の姓を変えてしまうという荒療治を施してしまう・・・驚きだ。
勝浦目線で追いつつも、やがて困惑しっぱなしの加害者の妹沙織(志田未来)目線へと見方も変わり、家族が犯罪を犯すことが周りに与える影響の凄まじさにのめり込んでしまうこと間違いなし。『手紙』という映画も加害者家族を扱っていましたが、同じ殺人事件であっても貧しさからくる古風な事件でした。その点、今作では直情的(状況は説明されてない)な現代的な犯行。発達した情報社会の中にあって、身につまされる内容だ。
それにしても佐々木蔵之介(佐々木とはいえ、だいまじんではない)が演ずる新聞記者はとても怖い。自身の息子が不登校になったということもあって、犯罪を憎みすぎ。たしかに被害者遺族の気持ちを考えてみると糾弾したくなるのもわかりますが、その標的が犯人の妹というのも・・・頭がおかしいだろ!人間はなぜか弱い者を攻撃したくなることの表れなのでしょうけど、執拗なカーチェイスをやってのけるパパラッチのようなマスコミにしても、それこそ背筋が凍るぞ。
その新聞記者が言い放った「家族は死んで償え!」という言葉にしろ、TVドラマでの「犯罪が起こらない限り捜査できない」といった印象に残る言葉も多い。3年前の事件の被害者であるペンション経営者夫婦(柳葉敏郎、石田ゆり子)の悲しさも目の当たりにし、しきりに反省する勝浦。沙織には他人の痛みをわかれば人として成長できる、これからは家族を守れと説くシーンもいい。。殺人犯人の家族という事実は一生ついてまわるのだが、彼女の人生は何度も壁を乗り越えなきゃならないんだろうなぁ。
なんとなくダルデンヌ兄弟の映画を参考にしたんじゃないかと思えるセミ・ドキュメンタリー手法。君塚監督は『マイティ・ハート』を参考にしたと述べていたので、ウィンターボトムだったんですね。
※TVM「誰も守れない」感想
学校の教師が生徒たちにシャブを売っている・・・ひどい世の中。そんな物騒な中でも勝浦刑事と三島刑事(松田)のコンビが笑わせてくれる。
襲われ入院した尾上社長(山本圭)の意識が回復。おぼろげながら、犯人が「家族も覚悟しろ」と言い残したことが蘇ってきたため、警察は家族の保護も検討する。命ぜられた勝浦は「泳がせて犯人逮捕」を主張したが医師を保護することになった。しばらくすると、ネットの書き込みにより、会社の黒い情報が浮かび上がってきた。しかし、厳重な警護に怖気づいたのか、今度もまた娘の借金地獄というデマの書き込みが・・・
保護3日目。単独で怪しい患者(成宮)を尾行中、暴漢に殴られ拉致される三島・・・シャブ漬けにされ放り出されてしまう。患者情報の提供を拒み続けてきた医師だったが、三島のこともあって漸く怪しい人物について語り、逮捕される。
しかし、実行犯は携帯の裏サイトで「復讐を5万円で請け負う」などと非道なことをしていたのだ。誹謗中傷や裏サイトの存在。ネット社会の悪を暴くような内容もあるのだけど、むしろ映画のための序章のような扱い。勝浦が妻と別居中で娘にプレゼントを買おうとしていることや、三島が捕えた犯人の同棲相手と付き合おうとして振られるとか・・・
それにしても、守るとは言っても「事件が起こってからでないと捜査できない」現実。交通事故にしたって、死人が出ないと改善されないこともあるし・・・
〈どちらも2009年1月鑑賞〉
先日観た『望み』にも通じる重い重いお話です。
まだ『望み』の方は息子が犯人か犠牲者か後半までわからず、家族がそれぞれの想いを色々と巡らせるところに重い感情を抱きましたが、こちらは長男が明らかに犯人でそれに翻弄される家族の重い重い展開に観ているこちらも重い気持ちになってきます。
佐藤浩市さんと石田ゆり子さんが出ているので今上映中の『サイレント・トーキョー』(まだ観てませんが)を彷彿とさせます。色々な映画でマスコミやネットの暴力を扱っていますが、この作品はまだSNSが今ほど普及していない10年以上前でもすでに恐ろしいことになっています。この頃から数年後『白ゆき姫殺人事件』ではさらにネットの怖さが拡大し最近は更に更に恐怖がマシマシです。
観終わっての感情、胸にとても重くのしかかる後味の悪い映画ではありますが、志田未来ちゃんの10代半ばとは思えない演技力に関心し、佐藤浩市さんの娘へのプレゼントをもって駆け寄りながら「忘れもの」って言うところは少し救われました。それでも重い映画なので体調を整えて観ないといけない映画です。