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イレイザーヘッド評論(20)
我々は鉛筆であり、それぞれに人生を綴る
しかし書き間違えたので消し去りたいこともある
もしゴム消し付きの鉛筆だったら便利だろう
だから主人公のヘアスタイルはそれを模しているのだ
望まない出産による結婚
夜泣きして眠らせてはくれない赤ん坊
歯ぎしりをして狭いベッドで押し合う新婚の妻
現実の姿はこれだ
もしそこに愛が無かったとしたら、どのように見えるのか
それをシュールリアリズムの絵画のような作法で映画を撮れば、それが本作になるのだ
不気味な新生児は精子のカリカチュアだ
冒頭から妊娠の瞬間を映像として見せている
主人公をオーバーラップさせて誰の子になるのかを明示する
産まれ出た新生児はその精子の巨大化したもの
愛が無ければそのようにしかみえないだけだ
常に不気味なノイズが鳴り続け、暗い夜には寒風の音が吹き荒れる
鉢は見えず土がサイドテーブルに積まれそこに枯木が植えられている殺風景な狭い新婚の部屋
愛が無ければあらゆるものが全てこの様に見えるのだ
だが、庇護を求めて頼りなく泣き続けるその声は普通に人間の赤ん坊ではないか
愛が有れば普通に人間の赤ん坊に見えるはずなのだ
子供を育てた経験があるなら誰しも夜泣きに苛立った事が必ずあるはず
酷ければその子の死さえ願うことも合ったかも知れない
消し去りたい記憶だ
主人公の頭が取れて、不気味な赤ん坊の頭が取れた首から頭を出す
頭は床に転がり血の海が広がる
赤ん坊中心の生活になり、自分の時間は取れなくなる、やりたい事が全然やれない
自分が自分でなくなる
頭が取れて替わりに異形の赤ん坊の頭がのぞくのは、その表現だ
落ちてしまったその頭を材料にゴム消し付きの鉛筆を作ると品質は合格だ
記憶を擦って消してゴムカスにして机から捨て去りたい
異形のマリリンモンローが白黒タイルのステージで歌う
その足が巨大化した沢山の精子を踏みつけ潰し去る
アイドルのグラビアでマスターベーションした過去の記憶も消し去りたい
家で赤ん坊が待ってるいるのに、セクシー美女と遊びたい
隣の親父みたいに不倫してみたい
これも消し去りたい
最終的には異形の赤ん坊は殺され、主人公は白い光に包まれて背を向ける
この物語自体が消し去りたい記憶
妄想であったのかも知れない
それは望まない妊娠の前に中絶を選ぶのか、どうするのかの一瞬頭を過った妄想の物語だったのかも知れない
いや、きっと訪れるであろう未来を悲観して妄想した結末
それはすなわち中絶を選択しない結末ということではないか
それがあの白い光の意味なのだろうと思いたい
イレイザーヘッドとはそんな映画だ
しかしデビット・リンチ監督の作品は疲れる
斜に構えてその意味を推し量ることに意識をもって見なければならないからだ
もっと素直になれないものか
とはいえ、このような前衛的な方法以外に、一体どのような表現方法が本作のテーマを具象化できると言えるだろうか
この画期的な映像表現を考え出した監督の才能はやはり卓越していると言わざるを得ない
前列で一人鑑賞していた太腿丸出しの若き女子が、所々で前のめりになって観ている姿が印象的。
2018-133
ストーリーがまず難解。何を意味しているのかわからない対象が多いし、流れもたまにわからなくなる。メタファーだなとわかる部分はあるが、全体的に謎が多い。また、ほぼずっと鳴っている不快音とモノクロ描写、シュールな人間達により、かなり怖い雰囲気が漂う。
鑑賞後に本作の解説を読み、デヴィッド・リンチ監督自身を投影した作品であるという背景がわかったときには、なんとなく許す気になってしまった。
とにかく今まで見た映画のなかで一番謎めいてたし、気味が悪かった。それもあってか、おそらく今後この作品のことは忘れないであろう。それだけ、私には衝撃的であった…
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この映画、話なんてあってないようなものでとにかくずっと不快な音が何かしら鳴っていて、世界観もまっじで意味不明。
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子供はE.Tをもっとツヤツヤにしてちっちゃくしたよく分からん生物だし、変な顔した天使みたいな女の人いるし(全部ネットで調べたら写真出てくるから見てみて)、全てになにかの意味があるのかもしれないけど、このイヤな感じの世界に何か意味なんてあって欲しくないと謎の願いをしたくなる。
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私的一番嫌だったのは、恋人のお父さんがずっと奇妙な笑顔を主人公に向けてるシーンがあって、その顔が目が笑ってないし、不自然に全く動かないし気持ち悪かったわぁ。
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でもあの最後の子供が××になるシーン、どうやって何を使って作ったのかめっちゃ気になる。なんかの動物のなんかの部位っぽいし、てかそもそもあのモンスターリアルすぎる。