直木賞作家・佐藤正午の同名ベストセラーを藤原竜也主演で映画化。都内のバー。かつて直木賞を受賞した天才小説家・津田伸一は、担当編集者の鳥飼なほみに執筆中の新作小説を読ませていた。その内容に心を踊らせる鳥飼だったが、津田の話を聞けば聞くほど小説の中だけの話とは思えない。この小説が本当にフィクションなのか検証を始めた鳥飼は、やがて驚きの真実にたどり着く。謎めいた小説家・津田を藤原、津田に翻弄される担当編集者・鳥飼を土屋太鳳、津田とコーヒーショップで出会った日に失踪したバーのマスター、幸地秀吉を風間俊介、津田の行きつけのコーヒーショップ店員・沼本を西野七瀬、彼らが暮らす街の裏社会を仕切る倉田健次郎を豊川悦司が演じる。監督は「ホテル ビーナス」のタカハタ秀太。
鳩の撃退法評論(20)
原作未読です。
つまらないとは思わないですが、面白くもない。
感想が特にないので書くことが…。
賞を取った有名な作家って設定が活かされたように感じられませんでした。
映画館を出ても物語の中に自分が本当にいた気がした。
事前に他の方のレビューで
①時系列や主人公の実体験とフィクションが入り混じる
②鳩とは偽札のこと
という事前知識を得ていたので、大体ストーリーの内容や登場人物の関係性などをつかむことができ、見終わった後もスッキリとした満足感を感じることができました。
結末については視聴者に委ねられているようですが、
私的には
現実(ノンフィクション)では悲しい結末を迎えた事件を主人公である小説家が小説(フィクション)内ではハッピーエンドに書きかえた。つもりだったが、実は現実(ノンフィクション)もハッピーエンドに終わっていた。
というように解釈しました。
確かに何の予備知識もなく、一度だけ見たらモヤモヤしてしまう映画かもしれませんね。私は結構好きでした。
説明が不十分かもしれないから、、と差し込まれたような描写によってすっかり興ざめし、逆に客観的にこの映画を見てみようというふうに思えたのは逆の意味で功を奏していたと言えるのかもしれない。この映画の鑑賞後の「気持ち良くなり損ねた感」は何とも言い難い。沸き立つような感動や伏線をもう一度確認するために再度映画館に足を運ぼう、というような感情は沸かず、まあわからなくてもいいかな、という程度に記憶に残り、他の作品によって上書き保存で容易に消えていくような印象しか残らなかった。画面や演技は良かったのだとすれば、構成や説明の仕方、誘導の仕方によってはかなり良い映画になっていたのかもしれないという「惜しい映画」というのが正直な感想である。原作はさぞ面白い作品なのだろう。原作に触れるきっかけにはなると思う。
ただ観客まで撃退していては映画を作る所詮がないとは思いませんか。