日本のワインを世界レベルにまで引き上げたワインコンサルタント・麻井宇介の思想を受け継いだ若者たちの姿を描き、第16回小学館ノンフィクション大賞を受賞した河合香織の「ウスケボーイズ
日本ワインの革命児たち」を渡辺大主演で映画化。ワインを楽しみながら、そのうんちくを語り合っていた岡村ら「ワイン友の会」のメンバーは、フランスと日本のワインでブラインドのテイスティング会を開催する。日本のぶどうで作られたワインがフランスワインよりおいしいはずがないという先入観で岡村たちはテイスティングに臨むが、彼らの予想は外れてしまう。そこで岡村たちは麻井宇介が生んだワイン「桔梗ヶ原メルロー」の存在を知り、常識を覆すワイン作りに没頭していく。
ウスケボーイズ評論(19)
冒頭から、「ワイン友の会」の面々の学生の分際で(だからともいえるが)偉そうな態度が気になった。
「あーフルーツワインねー」とか、よく人ん家の家業ボロクソに言えるなと。どんな仕事でも、特に家族経営の農業や製造業は、作り手は一生懸命なんだよ。
その後の「レベルの高い国産ワインを造るために頑張る」姿も、主人公を始め、努力の過程がわかりにくい。
なんだかんだしてるうちに、いきなり「素晴らしい!」みたいに評価されていくので、観ているほうはついていけない。
どんな風に努力したのか、何に気づいたのか。
どう改良した結果、どんな結果に結びついたのか。
そこをわかりやすく描いてほしかった。
全体的に、登場人物の過剰な演技と古臭いカメラワーク?も気になる。
唯一よかったのは橋爪功さん。大御所の魅力にあふれていて、さすがでした。
あ、あと、「フルーツワインねー」とバカにされていた彼が一念発起して、家族も巻き込んで頑張る姿と、応援してくれていたおじいちゃんが遺影になっていたシーンはほろっときた。
麻井宇介さんの名言は、是非作品で聞いてもらいたいが、大きな志を持ち成し遂げる人間というのは、そのように考えるものなのかもしれないと感じた。
出合さん、内野さんの演技は光ってたし、主演の渡辺大さんの好演もよかった。
苦労してやり遂げ、日本のワインを世界的なレベルに短期間で引き上げた功績はもっと評価されていい。
柿崎監督の次回作も非常に楽しみだ。